去年、全国で生まれた子どもの数が10年連続で過去最少を更新するなか、9年ぶりにプラスに転じたのが東京都です。少子化に歯止めをかけるために必要な取り組みとは。
東京都 小池百合子 知事
「(出生数の)9年ぶりの増加が確実となりました」
外国人を含む東京都の去年の出生数について、先週、こう語った小池知事。給付金や保育料の無償化など子育て支援を打ち出し、SNS上では「都民の義母」と呼ばれることも。
東京都 小池百合子 知事
「“義母”というのはどうですかね。(Q.あまりなんていうか)“グランマ”でもいいですよ」
去年の出生数は前の年と比べ1000人ほどプラスになっていて、都の担当者は「金銭的不安を持つ人もいたが、支援が浸透し、『子どもがいても大丈夫』だと思う人が増えてきたのだろう」と分析しています。
記者
「東京から多摩川を挟んで向こう側に見えるのが神奈川県川崎市ですが、子育てのために都内に引っ越す人もいます」
生後8か月の長女を抱っこするこちらの女性。元々は川崎市に住んでいましたが、去年、東京・品川区に引っ越してきました。
川崎市から都内に移住
「東京が神奈川より子育て支援が手厚いと聞き、引っ越した」
決め手の1つが、保育料です。川崎市在住の場合、国の制度で3歳から5歳は無料ですが、0歳から2歳は一部の世帯を除いて自己負担となっています。一方、品川区だと東京都の制度で0歳から5歳まですべて無料です。
川崎市から都内に移住
「(川崎市だと)保育料がやっぱり、ちょっと高いというのを聞いて、私たちの家庭だと月5万円くらい。こっちだとそれが無料になるので。これからまた第2子とか考えられるようになったら、やっぱり東京にいたいなって思います」
一方、全国では去年の出生数が10年連続で過去最少を更新。それでも、東京以外でも出生数が増えた自治体があります。
東京から車で1時間ちょっと。牛久大仏も見える茨城県阿見町です。子育て支援や住宅地の開発を進めた結果、30代前後の世帯が多く移り住み、出生数は5年間で30人ほど増えました。小学校の1つは8年前に増築。半数以上が、町の外から来た子どもです。
小中学校の給食費は第2子以降は無料。また、ランドセルも支給され、医療費も高校生まで無料です。さらに、中学校の制服や体操服の購入には2万円分が補助されます。
阿見町に住む人
「入学に向けて制服や自転車など購入する金額が大きいので、とても有り難い。都内に出るアクセスもいいので」
電車などで、およそ1時間で東京に行けるのも人が集まる理由です。
阿見町に住む人(子ども3人)
「主人は(東京に)通勤するという形で、茨城に住むことになりました。他県から来ている人もいるし、同じ境遇の方も多いので、話しやすいところだなって」
全国的に出生数を増やすために必要なことは。専門家は、子育て支援に加え、20代・30代の「働ける場所」がカギだと指摘します。
ニッセイ基礎研究所 天野馨南子さん
「地方で出生数の減少率が非常に抑えられているところには、地政学的な共通点がある。男女とも働ける労働市場があるところ、車とか交通で1時間くらいのリーズナブルな場所。雇用をきちんと見直して、今のZ世代が望む形に改革する。そういう人たちに好まれるエリアにならなければいけない」
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