札幌市の高校に在学中、繰り返し性被害を受け、心的外傷後ストレス障害=PTSDを患ったとして、20代の女性が元教員の50代の男性と学校法人に賠償を求めた裁判で、札幌地裁は、きょう(20日)元教員に対し、1100万円の賠償を命じる判決を言い渡しました。

この裁判は、札幌市の通信制高校でイラストなどを学んでいた女性が、元教員で当時、漫画家だった50代男性と高校を運営する学校法人に対して、およそ2000万円の賠償を求めたものです。

訴状などによりますと、女性は高校1年生のころ、男性から「漫画の話をしてあげる」などと声をかけられてLINEを交換し、父親からの暴力について相談するなど信頼するようになりましたが、男性から月に1、2度の頻度で性行為を求められるようになったと主張しています。

女性は高校卒業後、北海道外の大学に進学しましたが、PTSDを発症して通えなくなり、今も精神状態が不安定だとしています。

裁判で男性側は「真剣な交際関係だった」と主張していましたが、きょうの判決で札幌地裁は、男性の主張を「信用できない」としたうえで、「被告は原告の判断能力の未熟さ、両親に対する葛藤や自己肯定感の低さに便乗し、自らが優位に立つ関係を形成しながら、その性的欲求に応じさせていた」と認定し、男性に1100万円の賠償を命じる判決を言い渡しました。

一方で、学校法人については「被告の不法行為は学校の授業などと関連しない日時・場所で行われた」として、賠償責任を認めませんでした。

判決後、都内で会見を開いた原告は、「お金ではなくて誠心誠意の謝罪が欲しかったのに、最後まで謝罪がなく、受け止めきれない」と話し、「もうこんなことが起きないように、裁判を起こした。何もわからない子どもに手を出したらいけないことを教員は皆、わかっていてほしい」と訴えました。

※サムネイルは、原告の女性が描いた自画像。「それでも私は汚れていない」という思いが込められている。