神奈川県警の警察官が不適切な交通違反の取り締まりを行っていた問題で、巡査部長ら7人が書類送検され、県警トップが謝罪しました。上司の不正を目の当たりにしながら周囲も止めることが出来なかったといいます。
神奈川県警 今村剛 本部長
「信頼を大きく損なうものであり、県警察の責任者として、深くお詫びを申し上げます」
きょう謝罪したのは、神奈川県警のトップ、今村剛本部長。理由は、警察官による交通違反の不適切な取り締まりです。
記者
「こちらの小田原厚木道路で不適切な取り締まりが繰り返されていました」
交通違反切符に虚偽の内容を書いて交付した疑いがあるとして、第2交通機動隊に所属する40代の巡査部長ら7人が書類送検されたのです。先導していたとされるのが40代の巡査部長。取り締まりの経験が豊富だったといいます。
スピード違反や車間距離不保持の取り締まりでは、パトカーが取り締まり対象の車と同じ速度で一定の車間距離をあけて追跡し、違反を認定します。
ところが、巡査部長らは十分な距離を追跡せずに違反を認定。交通反則切符には、追跡した距離などを書く欄がありますが、ここに実際より長い「嘘の距離」を記載して交付していたといいます。
さらに交通違反の際、状況によって必要になる「実況見分調書」の作成について…
巡査部長(40代)
「行かなくても作成できるだろ」
こう同僚に伝え、実況見分を行いませんでした。別の巡査長らがネットにある地図や過去のデータを使い、「実況見分調書」を作成し、検察庁へ提出していたのです。
このようなことが常態化していたと言いますが、「小田原厚木道路」の利用者は…
道路の利用者
「いやもう論外ですよ。信じる者がいなくなっちゃいますよ」
「規則に則った行動をきちっとして欲しい。どれが本当で、どれが嘘なのかっていう見極めがつかないので、そこをちゃんとはっきりしてもらいたいなと思います」
40代の巡査部長は、自らの取り締まりについて…
巡査部長(40代)
「悪質な違反は取り締まって、道路交通の場から排除したかった。今思えば、間違った正義感だった」
神奈川県警は「違反のねつ造はない」としつつも、巡査部長が関わった3000件ほどの取り締まりのうち、およそ2700件について、「疑念が払拭できない」として違反を取り消し。総額およそ3500万円の反則金を返還するとしました。
きょうから対象者に通知文を郵送し、電話でも連絡するということです。
およそ2年半にわたって行われた不適切な取り締まり。止めることはできなかったのか。
40代の巡査部長が取り締まりを行った際、部下の巡査長が助手席に座っていたといいますが…
巡査長
「無理がある取り締まりが嫌で仕方がなかった。意見が言いづらかった」
経験豊富な上司の巡査部長に指摘することができなかったといいます。
神奈川県警 今村剛 本部長
「疑念を抱いた隊員が交通違反取り締まりの在り方について、他の上司等に相談を行うことができる状況になかった」
同じ「警察官」の不適切行為を目の当たりにしながら、言い出せない状況があったとしました。
神奈川県警は、40代の巡査部長を懲戒免職とするなど、あわせて18人を処分したと発表。警察庁は、全国の警察本部などに指導チームを設置したということですが、神奈川県警の抜本的な体質の見直しが求められています。
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