東京電力福島第一原発事故から12年を前に、原子力政策が大きな転換点を迎えました。政府は原発の運転期間の延長などや次世代型原発への建て替えなどを柱とする新たな原発政策の方針を正式に決定しました。岸田総理の指示から、わずか4か月。十分な議論は尽くされたのでしょうか。

■「勝手に決めるのは…」原発運転期間延長・新増設へ

皆さんは、政府が新たな原 発政策を決めたことを知っていますか?

40代「知らなかった。びっくりしたし、知らないうちに進んでいくのはとても怖い気がする」

10代「話の場を作ってくれればいいけど、勝手に決めるのはちょっと…」

30代「クリーンエネルギーみたいなことができれば一番いいが、それまでの繋ぎとしてなら仕方がないのでは」

日本の原発政策は22日、大きな転換点を迎えました。

環境に負荷がかからないエネルギー社会を目指すGX実行会議。議長を務める岸田総理は・・・

岸田文雄総理
「現在直面するエネルギー危機に対応した政策を加速していくためには、国民や地域の信頼を積み上げていく地道な取り組みも不可欠」

政府は最長60年としてきた原発の運転期間について、運転を停止してきた期間はカウントせず、実質的な延長を認める。

さらに、廃炉が決まった原発を次世代型へ建て替えることなどを決定しました。

■原発新政策 議論は尽くされた?総理指示から4か月で

安倍晋三元総理(2018年)
「原発の新増設については、現時点では想定しておりません」

2011年の東京電力・福島第一原発事故を受け、「新増設や建て替えは想定しない」としてきた政府。

一方で、菅前総理が「2050年までに温室効果ガス排出の実質ゼロ」という目標を掲げる中、2021年4月には、原発新増設を目指す議員連盟が発足。

当時、顧問として、安倍元総理も名を連ねていました。

岸田総理は2022年8月、経済産業省に対し新たな原発政策の検討を指示しましたが、2022年7月時点の資料には「2030年代半ばには運転開始」という想定とはいえ、かなり具体的なロードマップが示されています。

岸田総理の指示からわずか4か月での決定に西村大臣は・・・

西村康稔経済産業大臣
「ロシアのウクライナ侵略以降、エネルギー情勢は一変した。原子力を含めてあらゆる選択肢を追求していく」

政策の見直しを議論してきた委員の一人は、議論の進め方に苦言を呈しています。