札幌の学生に関するデータ、男女ともに、この10年で平均価格が2割以上、高くなったものがあります。

それは学校制服です。男子で3万7686円⇒4万5843円、女子で2万9895円⇒3万7530円で、この10年で平均価格は8000円ほど値上がりしました。

物価高騰が続く中、入学金や授業料以外にかかる『隠れ教育費』が家計を直撃しています。

試着する学生(中3)
「(どうですか?着てみて?)もう高校生だなって感じです」

こちらの学生が訪れていたのは、札幌市北区の制服専門店です。売られているのは、すべて不用になったリユース品です。

試着する学生(中3)
「全然なんか、キズとか”ほつれ”とかもなくていいっすね。新品に近い感じです」

この店では、北区の中学校を中心に、市内100以上の中学・高校の学生服や小物など、約3000点を販売しています。リユース制服の販売を始めたのは、4年ほど前ですが、あるきっかけがありました。

制服リユースよしむらプラス 田邊麻奈美さん
「ちょっと制服の値段が高いっていうことと、ちょうどコロナ禍で学校で制服をあまり着ないのに、きれいなまま破棄・捨てられてしまう制服がたくさんあるという話を、まわりのお友達から聞いて…」


そこで、近隣のスーパーなどに制服の”回収ボックス”を設置しました。

集めた制服をクリーニングし、できる範囲で補修してから販売しています。

驚くのが、その価格の手頃感です。セーラー服や学ランなどの上着は、高いものでも3500円。スカートやズボンは3000円。上下そろえても6500円です。

制服リユースよしむらプラス 田邊麻奈美さん
「いろいろ買わなければいけない物がたくさんございますので、その中で1つでも何か抑えれる物があれば、っていうような形で当店をご利用していただく方が多いです」

原材料の高騰などにより、制服の価格が上がる中、保護者の負担を減らす取り組みも始まっています。

栄南中学校 後藤一真教頭
「こちらが、この春からの新しい制服になります」

札幌市東区の栄南中学校です。この春、1976年の開校以来はじめて制服のデザインをリニューアルします。

栄南中学校 後藤一真教頭
「3年ほど前になるんですけれども、今後少なくとも1割2割の値上げが予定されているっていうお話を伺いまして、子供たちが着ている制服を見ながらちょっと高いなと(思っていた)」

そこで、保護者の負担を抑えるため、新たな業者と生地の見直しから開始。現行の制服が値上げされた場合、4万5000円から5万円を超える想定でしたが、男女ともに4万円ほどに抑えることができました。さらに…

栄南中学校 後藤一真教頭
「今回からワイシャツの指定は外しました。そうすることで、お安いところでお求めできるかな」

栄南中学校 後藤一真教頭
「どちらとも形は一緒です。これ、今は左前になってます。けれども、こちら側に(ボタンを)つけ替えて男子女子で兼用することができる」

これにより、性別に関係なく”おさがり”が活用できるなど、他にもいろいろと負担を抑える工夫がされています。こうした学校側の取り組みもありますが、保護者の負担感は増しています。

母・華子さん「こうかな…はい」
娘・世莉佳さん(小6)「(Qどうですか、気持ちは?)なんかいい感じ」

この春、次女が中学校に上がる豊平区在住の安宅さんです。2つ上の長女の時に比べて、保護者の負担が大きくなったと感じています。

母・華子さん
「制服・ジャージ以外にも、学校のリュックとか上靴・外靴入れたら10万円は全然超えます」

制服も値上がりしたため、ブレザーは長女の”おさがり”を活用します。他にも、運動着のTシャツは枚数を減らすなど、節約したといいます。さらに制服のほかにも、学校生活でかかる費用は多岐に渡り、漠然とした不安も感じています。

母・華子さん
「研修とか、修学旅行とか、そういうのも今、物価がどんどん上がってきてるから、どのくらい上がるのか…っていうちょっとドキドキ感はあります」

こうした学校教育における保護者の私費負担は『隠れ教育費』と呼ばれ、物価高騰とともに負担が増していると、専門家は指摘します。

千葉工大・福嶋尚子准教授
「制服は典型的ですし、教材とかもその可能性はあります。要は教材費として学校が集めてれば、見えやすいわけですけど…。物価高もありますし教育活動が変わってきている部分もあって、やっぱり高くなってきてます」

『隠れ教育費』には、習字道具などの教材費や、修学旅行の旅費なども含まれていて、支払先も多岐にわたることから保護者だけではなく学校側も把握しづらく、問題点もあると言います。

千葉工大・福嶋尚子准教授
「経済的に豊かな地域の公立学校だったら、保護者は全然気にせず、どんどんどんどんお金払えるから、どんどん教育活動が充実していくかもしれない…。そうすると、保護者の経済的状況によって、その学校の教育条件が変わる。このところで格差が生じるっていうのが一番大きな問題」

世永聖奈キャスター:
私たちの学生の頃を思い出した時に、親が「教育費、高いのよ」と言ってた時もありましたけど、あれよりも今高くなっていて、制服以外にも教育にはお金がかかりますよね。

堀内大輝キャスター:
その「隠れ教育費」、どんなものがあるかというと、こちらをご覧ください。 制服の他に、体操着、それから修学旅行費、最近ではタブレット端末を使うことが増えてますので、その端末なども含まれます。 文科省が2023年に行った調査では、公立の小中高校の12年間で保護者が負担する総額が195万3000円にも上るんです。

コメンテーター 田村次郎さん:
これは削れないですが、 ただ、いろいろ考え直すっていうタイミングでもあるんじゃないかなという気もしていて。 例えば、制服着てる姿とか想像してね、なんか可愛らしいなとか、うちの娘のこと考えて思います。 じゃあ、果たして制服いるのかとかね。 教科書とか、本当に全部必要なのか。 別にネットでね、あの、見れるとか、物として欲しい人だけ購入するとかでもいいと思うし。 そういうものをしっかり考え直していかないと。とは言っても、この国は、なにか資源があるとかというわけでもなく、少子化で、必ずこれから子どもが減っていくなかで、国として元気にしていくためには、子どもたちの教育ってものをやっぱりしっかりとね、やっていただかなきゃいけないと思います。 この国の未来というためにも、みんなが同じラインでスタートできるような環境っていうのは作ってもらいたいですよね。

堀内キャスター:
行政も対策に動いています。札幌市の対策を紹介します。 札幌の市立の小学校では来年度から、1800円から2000円程度の彫刻刀や、500円程度の算数のブロック が、学校の備品となって、保護者が購入する必要がなくなります。 2025年6月に文科省が全国の自治体に対して、保護者の負担を軽減するよう検討するように通達をしたことを受けての対応です。

コメンテーター 阿部夕子さん:
私の周りのお母さんたちも皆言ってるんですけど、制服って入学の時だけ買うと思うかもしれないんですけど、お子さんの成長に合わせて毎年買うっていうご家庭も実は、いらっしゃるんですよね。男の子の場合だと、ズボンはもう最初から2着用意しなくちゃいけないっていうご家庭もあって。 まあ、ご家庭にもよると思うんですけど、やっぱり負担がすごく…高いっていうところもあるので。 しかも制服って高い分、素材がしっかりしてるんですよね。 なので、先ほどの「リユース」っていう仕組みはすごくいいなと思うので、ご家庭でもうまく活用しながら、家計費を極力抑えられるような、そういった工夫っていうのが、今求められているのかなっていう感じはすごいしますね。

世永キャスター:
少子化を食い止めるためにも、教育費の負担軽減は喫緊の課題です。