創造主をかたる女と共謀して、男性の遺書を偽造するなどした罪に問われている女の裁判。検察は20日「妄信的に従い、犯行動機は身勝手かつ自己中心的」などと指摘して、懲役2年を求刑しました。

 起訴状などによりますと、寺崎佐和子被告(47)は、入水した男性1人について、「旅立つ私をどうぞお許しください。コロナ不況で全く仕事が取れなくなり挽回できず、私の夢は打ち砕かれました」などと、遺書を偽造した罪などに問われています。


■占い師の女に「魂の父だと感じた」

 寺崎被告はこれまでの裁判で「(間違い)ありません」と起訴内容を認め公判で、自称・占い師の浜田淑恵被告(63)について次のように話していました。

 寺崎被告:「切実な悩みを聞いてくれて、神様がなんとかしてくれるからと言われ安心した」「私は瞬間的に魂の父だと感じた。人間の浜田淑恵さんの身体を借りて、創造主である神が降りてきている」

 弁護人:「外側は浜田さんだけど、中身は神だということですか?」

 寺崎被告:「はい、人間を”うつわ”として使っている」

 法廷で寺崎被告は、浜田被告に神が降臨した状態を、『父』と何度も呼びました。


■最大19人の共同生活

 裁判では、死亡した男性2人を含む最大19人いた共同生活の実態も語られました。

 寺崎被告:「父(浜田被告)と交流するためほぼ毎日集まり、父の教えを聞きました」

 弁護人:「どういう教義だった?」

 寺崎被告:「父のもとに来るときには、家族や友人を全て捨てて来なさいと」

 弁護人:「なんのために?」

 寺崎被告:「神の仕事をするためです。神がこの世界に降りてきたのは、3次元のカルマを生成するためと」


■検察側「居心地のよい環境、自己保身のため」

 検察はきょうの論告で、「被告は『父』の命令に抗うことができなかったと言っているが、言動に妄信的に従うことで、精神的な安定が満たされ、居心地のよい環境に身を置いていられるという自己保身のためだった」と指摘。

 「命令に背けば身体や生命に重大な危害を加えられるような切迫した状況でもなく、犯行動機は身勝手かつ自己中心的」などとして、懲役2年を求刑しました。


■弁護側「マインドコントロール状態」

 いっぽう弁護側は「カルト集団でマインドコントロール状態にあり、正常な判断ができないことは考慮されるべき」と述べ、「カルト集団に属さなければ、このような犯行は起きなかった」などとして執行猶予付きの判決を求めました。

 判決は、4月15日に言い渡される予定です。