「たき火にあたるサル」のはじまり

犬山モンキーセンターの学芸員 阪倉若菜さんは「犬山野猿公苑は、日本モンキーセンターから2キロほど離れた、木曽川沿い近くにあったため、伊勢湾台風の時に出た倒木や家屋の残骸、そして木曽川河岸に流れ着いた流木などを利用し、職員が冬場あたたまるためにたき火を始めました。そのたき火に子ザルが近づき火にあたり始めたのが、たき火にあたるサルのはじまりです」と教えてくれました。

21日はたき火とともに、「ほかほかおいもタイム」も実施され、サルたちはホクホクの焼き芋をおいしそうに食べていました。

60年以上の歴史…CBCのライブラリー映像には、1975年に職員の皆さんが、サルといっしょにサツマイモを食べているのどかな風景も残っていました。


21日にはこんな風景も…

(記者)
「サツマイモを水につけて冷ますサルもいますね」

好奇心旺盛なヤクシマザル。いつの頃からか、池の水にサツマイモをつけて、冷ましてから食べる姿も見られるようになったといいます。

97年に野猿公苑が閉鎖し、現在、日本モンキーセンターのモンキーバレイにはそこから移った、約130頭のヤクシマザルが暮らしていますが、飼育員は焼きイモをそのまま まるごとサルに渡すのではなく、細かく分けたうえで遠くに投げたりして、弱い個体にもいきわたるようにしているということです。

伊勢湾台風から自然発生し、60年以上8世代にわたりたき火にあたる文化的行動が見られるのは、日本モンキーセンターのみだということです。

学芸員の阪倉さんは「今年生まれの赤ん坊が、母親のおなかにくっついた状態でたき火のそばにいるのを見て、こういったことが60年以上、8世代にもわたり繰り返され、受け継がれてきたのだなあと思いました。こういった文化的行動がこれからも受け継がれ続け、多くの方に見ていただけるように努めていきたいと考えています」と話してくれました。

たき火は22日の冬至にも行われ、1月末までの土日・祝日に行われる予定です。