関西を中心に全国でコロナの往診を続ける“KISA2隊”と呼ばれる若き医師や看護師がいます。24時間365日、コロナ患者の自宅で治療にあたるその活動。石川県内でもその名が知られるようになってきました。
「“保健所からKISA2隊に”ってことですね…じゃあ現地集合ですね」(電話でのやり取り)
午前9時ごろ、県内の医師や保健所からコロナ患者のもとを訪問してほしいという電話が鳴り始めます。金沢市四十万の訪問看護ステーション・あおはるは、KISA2隊として福祉施設やコロナ患者の自宅に出向き、治療やケアあたっています。
訪問看護ステーション あおはる/KISA2隊 由利弘明さん
「KISA2隊は行政からある程度信頼があるので、そこからの依頼も来やすい。(医師による)的確な指示がダイレクトに来るのでこちらも動きやすい」
KISA2隊 = Kyoto Intensive area care unit for SARS-Cov2対策部隊
人気アニメ「鬼滅の刃」の“鬼殺隊”にあやかり、京都の若手医師らが立ち上げたKISA2隊。全国で初めて抗ウイルス薬の点滴を在宅で行うなど、24時間365日対応する在宅医療チームで、石川県内の実働部隊はおよそ20人です。

訪問看護ステーション あおはる/KISA2隊 白崎志保さん
「あれからどうですか」
コロナ療養明けの70代女性
「咳もだいぶ治った、元気です」
野々市市に住む70代の女性は12月12日に新型コロナに感染。KISA2隊による在宅での治療を受けたことで、軽症で済んだといいます。
コロナ療養明けの70代女性
「点滴もしてもらえる、それも訪問してくれて。在宅なら、体が元気なら家事もできるし家で診てもらうのは良いことだと思う」
このようなKISA2隊の取り組みは20日現在、石川を含む全国16の府県に広がり、それぞれに“柱”と呼ばれる隊長がいます。

「KISA2隊石川はほかの地域に負けない強烈なリーダーシップとみんなをまとめる力がある。未来はそんなに暗くない、まだまだ闘える」
KISA2隊を立ち上げた京都府の医師、守上佳樹さん。12月17日、石川県庁で医療従事者向けの講習会に参加し、医療従事者同士の垣根を越えた取り組みの大切さを訴えました。
KISA2隊 守上佳樹 OYAKATA医師「垣根を越えてやったほうが、遥かに強いチーム、強い力になる。若きドクターが気持ちを込めてやる医療は周りも含めて応援してあげないと。背中を押して羽ばたかせてほしい」
在宅医療チームの挑戦が、新型コロナとの闘いに徐々に変化をもたらしています。