かつて市内には、数々の映画館があり、それぞれに特色ある作品を上映をしてきました。ところが、1990年代から複数のスクリーンがありさまざまな映画を上映できるシネマコンプレックス=シネコンが相次いで誕生し、「街の映画館」は、次々と姿を消していきました。

2001年には、半世紀にわたって親しまれた「テアトル八戸」もその歴史に幕を下ろしました。こうした中、市民が立ち上げた「フォーラム八戸」も、中心街の再開発に伴うビルの解体で閉館し、再び八戸から映画館がなくなります。

※来館者「悲しいですね。」「いろんな事情があるとは思いますが、続けてほしい。」「映画が好きなので見たいのはたくさんある。どういう形でもいいので、また八戸で見られるようにしてほしい。」

フォーラム八戸はスクリーンが9つあるという強みを生かして、ロードショー系から大手の配給会社に属さない単館系と呼ばれる映画まで幅広いジャンルを上映し、子どもから大人まで多くの人たちに楽しい時間を提供してきました。

※フォーラム八戸 晴山努支配人
「商業的にはちょっと厳しいかもしれない、でもいい映画っていっぱいあるんですよね。商売だけじゃなくやれた。それでお客さまも楽しんでいただけたっていうのがすごくうれしいですし、そういった特徴のある映画館で勤められたのは私もうれしい」

12月9日からは、市民のリクエスト作や八戸市出身の小國英雄(おぐに・ひでお)さんが脚本を手掛けた黒澤明(くろさわあきら)監督の4作品など合わせて14作品を最後の企画として特別上映し、19年あまりの歩みに感謝を伝えています。

※フォーラム八戸 晴山努支配人
「ぜひまた最後に1本でも2本でもフォーラムで映画を見ていただいて、“フォーラムっていう映画館があったな”って、“ちょっと特殊な映画もやっていたな”っていうのを楽しい思い出として残していただけたらうれしい。」

来年1月5日の閉館まであと16日。エンドロールが流れるその日まで人々の心に残る作品を上映し続けます。


企画上映の作品を見た人には、スクリーンの写真を使ったポストカードをプレゼントしています。

運営会社は、再出店に向けて検討していますが、コロナ禍による売り上げ減少や値上げラッシュにより、現時点では白紙となっています。