青森県八戸市で唯一の映画館「フォーラム八戸」が2023年1月で閉館し、市内から映画館が姿を消します。


地元の出資によって誕生した「市民の映画館」は、八戸にゆかりのある名作や市民のリクエスト作を上映して、19年の歩みへの感謝と映画の楽しさを伝え続けています。
2023年1月5日の閉館まで3週間を切ったフォーラム八戸。18日の日曜日は、迫る別れを惜しむかのように多くの客が訪れ、チケット売り場の前には列ができていました。
※フォーラム八戸 晴山努支配人
「『なんとかがんばってどこかでやってちょうだい』とか『今までありがとう』って声かけてもらったりお手紙もらったりして、この19年間と少し、市民の方々に支えてもらったんだなとしみじみと感じています」

こう語るのは、フォーラム八戸がオープンした2003年9月から勤務している晴山努(はれやまつとむ)さん45歳です。2005年からは支配人として働いてきました。八戸市の中心街・十三日町(じゅうさんにちまち)のファッションビル「チーノはちのへ」の5階に「八戸フォーラム」の名前でオープン。

100人以上の市民や地元企業が出資して2001年9月以来、映画館がなかった街に「市民の映画館」として産声を上げ、この日を待ちわびた人たちが詰めかけました。

父親の影響で映画好きだった晴山さんもその1人。進学で地元・八戸を離れた後、Uターンしてきたその日に市内に再び映画館ができると知りました。

※フォーラム八戸 晴山努支配人
「帰ってきた日の新聞に映画館ができるっていう記事が載っていて、自分は“ここで働くために帰ってきたんだ”って勝手に運命と信じ込んだ」