北朝鮮の拉致問題について、生徒約800人が学びました。拉致被害者で20年前に帰国した蓮池薫さんの講演会が、岡山市中区の中学校で開かれました。


(蓮池薫さん)
「日本でまさにこれから新たな夢を咲かせていこう、という時に拉致されて、奪われた。自由もない中で、夢なんて本当に夢にも考えられない状況で暮らしていた」


操南中学校でオンラインで講演したのは、北朝鮮による拉致被害者の蓮池薫さんです。当時大学3年生だった1978年、地元・新潟県の海岸で拉致された蓮池さん。現地では施設に隔離され、数年間スパイ教育を受けさせられたといいます。

24年間を北朝鮮で過ごし、2002年に帰国を果たしました。

(蓮池薫さん)
「いま、北朝鮮で生きているのに、死んだことにされて残されている人がたくさんいる。拉致をしたのは北朝鮮のごくごく上の人間です。指導部の人たちです」

「この上の人間たちが、考えを変えてほしい。拉致問題を解決して、日朝関係の歴史問題も解決して、将来平和で繁栄する友好的な日朝関係をつくろうじゃないかと」

外務省によりますと、日本では政府が認定している拉致被害者17人のうち、5人が帰国していますが、依然として12人の帰国は実現していません。

蓮池さんは、「生徒たちが拉致問題について関心を持つことは、解決への大きな一歩になる」と訴えました。

(生徒)
「拉致された本人に聞くことによって、知れることや言葉の重みを感じました」

「家族との絆や夢が持てることは当たり前ではない、ということを、しっかりと胸に刻んで生きていこうと思います」

操南中学校では、今後も拉致問題や人権についての学習を続けるとしています。