戦後に在日コリアンと日本人の妻などが北朝鮮に渡航した「帰還事業」をめぐり、脱北した人たちが北朝鮮政府に賠償を求めた裁判で、東京地裁はさきほど、あわせて8800万円の賠償を命じる判決を言い渡しました。
北朝鮮への「帰還事業」は1959年から1984年にかけて行われ、在日コリアンと日本人の妻などおよそ9万3000人が渡航しています。この帰還事業で、北朝鮮で長年生活し、その後に脱北した人や、その遺族の4人が「地上の楽園との虚偽の宣伝で渡航を勧誘され、過酷な生活を送った」などとして、北朝鮮政府にあわせて4億円の賠償を求める訴えを起こしています。
1審の東京地裁は、2022年に「日本の裁判所に管轄権はない」などとして訴えを退けましたが、2審の東京高裁は一転して「日本の裁判所に管轄権がある」とし、審理を地裁に差し戻していました。
きょう開かれた裁判で、東京地裁は原告1人当たり2200万円、あわせて8800万円の賠償を命じる判決を言い渡しました。
東京地裁は判決で、「日本の裁判所に管轄権がある」とした上で、「北朝鮮政府は、ことさらに事実と異なる情報を流布して原告らを誤信させて北朝鮮に渡航させた」「北朝鮮への渡航後は自由な出国を許さずに北朝鮮に在留させることにより居住地選択の自由を侵害し、過酷な状況下で長期間生活することを余儀なくさせた」としました。
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