皆さんは「バンライフ」という言葉、ご存じでしょうか。クルマの「バン」と「ライフ」を掛け合わせた造語で、クルマを中心とした新たな生活様式として近年、注目を集めています。こうした中、奥能登を拠点に「バンライフ」の魅力を発信する一人の男性は、震災を機に人口流出に拍車がかかる地域で、新たな人の繋がりを生み出そうとしています。


穴水町に住む中川生馬さん、5歳の杏袖ちゃん親子。穏やかなひとときを過ごすその場所は、キャンピングカーです。

中川杏袖ちゃん(5)
「Q車の中で過ごすの好き-うん。おもちゃで遊ぶのが好き」
中川生馬さん(46)
「1日のうち、ほぼ8割くらいはキャンピングカーの中にいますね」


クルマで移動しながら仕事に遊び、そして寝泊まり。そんな単なる移動手段にとどまらない、自由なライフスタイルが「バンライフ」の特徴です。アウトドアへの関心や、コロナ禍で「密を避けた過ごし方」としても脚光を浴び、全国のキャンピングカーの売上は右肩上がりと、そのニーズは年々、高まっています。


中川さんも、こうしたライフスタイルを楽しむ「バンライファー」の一人。2024年、中古で買い換えた愛車には蓄電池を備え、冷暖房や衣類収納、そして、水回りも。

中川生馬さん(46)
「タンクに飲み水とか入れて、手を洗ったりとかもできる」


東京出身の中川さんは、高校・大学時代をアメリカで過ごし、都内の大手企業に勤めるも31歳で退職。その後は妻の結花子さんとともに、バックパックを担いで日本中を旅する生活を続けてきました。そして、偶然訪れた、穴水町の豊かな自然と人に惚れこみ、2013年に移住します。


中川生馬さん(46)
「仕事自体は全く不安もなく、楽しくて、自分のためにやっていたけど、日々の繰り返しに疑問を感じた」
「お世話になった人たちが本当によくしてくれて。あとは僕自身、偏屈なヤツなんで。(都心部の人は)『穴水』って聞いたことないじゃないですか。あまり知られていない田舎にいったら面白いかと」


穴水で始めたバンライフ。それから10年あまりが経った頃、能登半島地震が襲いました。