繰り返した妊娠

Aには今回の事件で死なせてしまった子の他に、3人の子どもがいる。3人とも父親は異なる。

最初の妊娠は20歳の時だった。

夫はAに「堕胎すれば」と告げ、ほどなくして県外に出てしまった。すぐに、ミルク代やおむつ代すらない貧困状態に陥った。Aは泣きながら実家に戻り、その後離婚が成立した。

2人目の子の父親である男性には、妊娠を告げたものの認知を拒否された。

男性は既婚者だった。

こうして精神的に追い込まれたAを支えたのは家族だった。

母親は、育児を手伝った当時をこう振り返った。

Aの母親:
「これ以上なにかあって、もし子どもができるようなことがあれば、私は見きれない。自分でなんとかしなさい」

しかし数年後、Aは、3人目の子を妊娠した。母親が妊娠を知った時はすでに、中絶してはならない時期に入っていた。