内閣府は1944年に鹿児島県沖でアメリカ軍に撃沈された学童疎開船「対馬丸」について、海底調査の結果船体を確認したと発表しました。詳しい分析結果は、改めて公表するとしています。


対馬丸は1944年8月22日、鹿児島県悪石島沖でアメリカ軍の魚雷攻撃によって撃沈され、学童を含む1484人が犠牲となりました。


内閣府によりますと、今回の海底調査は先月27日から今月18日にかけて鹿児島県悪石島沖で実施され、カメラやロボットアームを搭載した無人探査機を調査母船から水中に降ろして観察したということです。

その結果、水深およそ870メートルで船体を確認し「対馬丸」と書かれた船名が残っていたほか、付近の木片や土砂なども収集しており、今後分析を進めるとしています。


海底調査は1997年にも行われましたが当時の潜水技術では「船体の引きあげは困難」との結論に至っています。

政府は今後、遺品の回収や戦争の記憶継承につなげたい考えで詳しい分析結果は、改めて公表する方針です。