映画『国宝』の李相日監督が「第78回 野間文芸賞」、「第47回 野間文芸新人賞」、「第63回 野間児童文芸賞」、「第7回 野間出版文化賞」贈呈式に登壇し、「野間出版文化賞」を受賞しました。


李相日監督



李監督は、”『国宝』は非常に膨大な800ページに及ぶ小説。脚本の打ち合わせのために取捨選択のやり取りになる日々なんですけど、今日受賞された作家の方々のお話を伺ってるだけでも、自分の世界と、人生と向き合って、本当に一言一句、1行1行、言葉を紡いで、その戦いの果てに仕上がったこの本をいかに我々が使うべきか、作家の方々が何を1番目指してこられたのかっていうことを、見誤っては絶対いけない。”と語りました。


李相日監督、吉田修一さん



またに受賞した『国宝』の作家、吉田修一さんに向けて、”吉田さんとの出会いは『悪人』からなんですけど、本当に僕は『悪人』という作品で映画監督という人生を変えていただいたというか、今の僕のこの監督人生はないとも思っています。”と感謝を伝えました。


吉田修一さん



さらに、”今回の『国宝』で、僕も吉田さんもこんなになるなんて思ってませんでした。”と振り返り、映画が世界中で大ヒットしていることについて、”何か不安というものが人の生活に覆いかぶさってる中で、映像であったり、衣装であったり、姿形の美しさだけではなく、何か人間が、自分の内にある衝動に向かって魂を燃やしていくっていう、その生き方の美しさっていうものに、どれだけ渇望を抱いていたんだなっていうことを、改めて今回の広がりで痛感しております。”と述べました。


李相日監督、吉田修一さん



最後に”吉田さんにはこの先も美しい人物たち、美しい世界を描いていっていただきたいと思います。でもその裏には人々の苦しみや、人間の醜いところも含めて愛せるような。それをまた我々映画人が新しい形で多くの皆さんに届けていく。作家と映画人の繋がりがもっと強固になっていくことがこの先もあれば嬉しいなと思います。”と笑顔で話しました。

【担当:芸能情報ステーション】