浜松市は12月15日、市内にある静岡大学浜松キャンパス(情報学部・工学部・電子工学研究所)、浜松医科大学と包括連携協定を結びました。両大学が統合・再編問題に揺れる中、浜松市の中野祐介市長は「正直待ってはいられない」と連携強化に乗り出しました。
この協定は、浜松市と両大学が教育や学術研究、健康・医療・福祉、さらに産業振興の各分野で互いに協力し、地域社会の発展と人材育成に寄与していくことが目的です。
浜松市の中野市長は、「今置かれている高等教育を取り巻く環境の変化は、きわめてスピードが速くなっている。(両大学の統合・再編を)正直待っていられない。今すぐに実を取りに行く」と協定を結んだ背景を説明しました。
静岡大と浜松医大をめぐっては、一度は両大学の法人を統合し、「1法人2大学」で合意していましたが、2024年、静岡大の日詰一幸学長が「一度リセットする」と表明して以降、計画は進んでいません。その中で、静岡大浜松キャンパスと浜松医大は2025年11月、両者で包括連携協定を締結。今回、その枠組みに浜松市が加わる形で新たに協定を結びました。
渡邉裕司浜松医科大学長は、「この協定はあくまでも内容、中身の連携だと思っている」と説明。大学再編との関係について「法人統合・大規模再編は体制のこと。体制が整って内容は充実するということがあるので、どこできっちり切り分けるということは難しいかもしれない」と述べました。
また、福田充宏静岡大工学部長は「市の強みを活かした産学官連携の研究拠点を構築していく。それに基づいて新産業を創出し、それらを支える地域人材を育成していきたい」と述べました。
中野市長は、「統合再編というこの道筋だと皆さんに思っていただけるような地ならし、環境づくりにも努めていきたい」と、今後も両大学の統合再編を後押ししていく姿勢を示しました。
今月12日の静岡市に続き、浜松市も両大学と同様の協定を結んだことが今後の再編協議にどのような影響を与えていくのか、注目が集まります。














