ジャーナリストの伊藤詩織さんが監督し、アカデミー賞にもノミネートされた自身への性被害事件に関するドキュメンタリー映画について、「人権上の問題がある」と伊藤さんの元代理人弁護士が指摘していることについて、伊藤さんが会見で見解を述べました。

伊藤詩織さんが監督した「ブラック・ボックス・ダイアリーズ」は、TBSテレビの元記者から受けた自身の性被害について調査する様子を記録したドキュメンタリー映画で、既にアメリカなどで公開されているほか、日本での公開もはじまりました。

この作品をめぐっては、伊藤さんの性被害事件の訴訟を担当していた弁護士が、「裁判以外で使用しない」と誓約してホテルから提供された防犯カメラ映像など、映画への使用の同意が得られていない映像が使われているなどとして、「取材源の秘匿が守られていないなど、いくつもの人権上の問題がある」と主張しています。

伊藤さんはきょうの会見で、防犯カメラ映像の使用について日本版では画像処理をして配慮したとして、「私が性被害者である唯一の証拠で、この映像がなければ作品はできなかった」と答えました。