1968年、日本中を震撼させた三億円事件(東京・府中市)。大規模捜査でも闇に消えた犯人ですが、実は当時の異様な天気が深く関係していたのかもしれません。現場を覆った異例の暖かい雨が人通りを消し、犯行を「アシスト」していた可能性も…。あの衝撃のニュースと事件発生日のお天気に迫ります。(アーカイブマネジメント部 萩原喬子)

たった3分間で完遂!未解決「三億円事件」とは

三億円強奪事件が起こったのは東京・府中市。1968年12月10日午前9時20分すぎ、府中刑務所脇を走っていた現金輸送車が白塗りのオートバイ、白ヘルメットの
交通警官そっくりの男に呼び止められました。「爆弾がしかけられている」。
男は輸送車から全員退避させた隙に車に乗り込み逃走。
車に乗せていた東芝府中工場従業員4525人分のボーナス、約3億円(実際は2億9430万7500円)の入ったジュラルミンケース3つが奪われたのです。

左:「特別捜査本部」の入り口/右:1969年4月9日 3億円が入っていたジュラルミンケースが見つかる(東京・小金井)

わずか3分の犯行。警察は手配書を作り、しらみつぶしに近所への聞き込みなどを行いましたが、めぼしい成果はなく、時効となりました。
大規模捜査が行われた7年間で、捜査員は延べ約17万人、捜査対象者は11万人を超えました。

左:検問の様子/右:「お願い書」を手に聞き込みをする捜査員