静岡県熱海市で28人の命が奪われた土石流災害をめぐる民事裁判で、裁判所が伊豆山を視察する2026年2月13日の現地進行協議について視察場所が決定しました。

熱海市伊豆山で2021年に発生し、28人の命が奪われた土石流災害では、遺族などが盛り土の前の土地所有者や現在の土地所有者、静岡県や熱海市に対して損害賠償を求める裁判を起こしています。

原告側などによりますと、12月10日開かれた非公開の弁論準備で、2026年2月13日に裁判所が実施する現地の視察場所が決まりました。

視察するのは大きく3ヵ所で、裁判官や原告、弁護団らおよそ20人は源頭部からスタートし、土石流が乗り越えていった砂防堰堤を確認した後、住民や住宅などが被害に遭った下流部の住宅地を午前中をかけて見て回ります。

また、証人を呼んで話を聞く証人尋問を2月24日から始めて予備日を含めて6回開く期日も決まりました。

<新原告側 池田直樹弁護士>
「どの範囲で土が積まれていたとか、どんな対策をすればよかったのか、この場所はどういう場所なのかということを、現地という人間の皮膚感覚・目の感覚に合わせて理解をする。体感で理解したうえで証人の話を聞いていただく。相当いいタイミングで(現地に)行っていただくことになったと思います」

裁判所は、証人尋問を2026年4月に終えて、最終準備書面を提出する弁論などを経て、2027年3月までには判決を出すように裁判を進めていくとみられます。