自民党の税制調査会に“防衛増税”の具体策が示されました。ただ、反発を受けている復興税の転用については説明に苦慮しているようです。
きょう午後、自民党の税制調査会の会合に防衛費の増額に向けた増税に、法人税、たばこ税に加え、復興所得税を活用する案が示されました。
一番の軸となる法人税について、税制調査会のトップ、宮沢会長は…。
自民党・税制調査会 宮沢洋一 会長
「所得1000万円の控除をするということ。したがって、中小企業の9割は対象とならない」
また、たばこ税については段階的に課税を行うとしました。
ただ、出席した議員からは…。
自民党 牧原秀樹 衆院議員
「税目示されたんですけど、○%とか○年間とかっていう形で具体的な数字は入っていません」
「法人税額に対し○%の付加税を課す」「課税期間を○年間延長」。会合に示された穴あきの資料が、議論の難しさを象徴しています。
自民党 三原じゅん子 参院議員
「(増税は)唐突ですよね。国民の皆様がこれを納得するんでしょうか」
そして、きょうも焦点となったのは東日本大震災後に創設された復興特別所得税の転用です。
党内の反発が収まらないなか、税調の幹部が強調し始めたのが…。
税調幹部
「新税としてちゃんと説明しなければならない」
「新たな税」というキーワード。会合に示された資料でも「復興税の転用」としてではなく、「新たな税」と位置付けられています。
政府の説明はこうです。復興特別所得税は毎年、所得税の額に2.1%上乗せされる形で2037年まで徴収が続く予定となっています。このうち一定分を将来に持ち越し、2037年以降も課税を続けることにします。復興財源全体の額は変わりません。そのうえで、毎年浮いた分の税収は「新税」と位置付けて、防衛費にあてるのです。
ただ、この説明に…。
福島県出身 菅家一郎 衆院議員
「やっぱり、復興に対する前向きな姿勢が問われると思うんですよ。(先生、被災地の声をよろしくおねがいします)ありがとう」
一方、岸田総理による増税の指示を後押しする意見もあります。
自民党 猪口邦子 参院議員
「国防予算の確保、税金で賄える民主主義国としての力強い決定力。そういうことを僕はやると岸田総理に言ってほしいです」
こうしたなか、宮沢税調会長は…。
記者
「宮沢税調会長が茂木幹事長との面会を終えて出てきました」
会議を途中で抜けて茂木幹事長と面会するなど、今週中の増税案のとりまとめに向けて党の幹部との調整を進めています。
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