車やスマートフォンなど暮らしに欠かせない半導体。世界で争奪戦が繰り広げられ、きょうから始まった展示会には岸田総理も駆けつけました。一体、なぜ?
半導体は何に使われているか、街で聞いてみました。
「聞いたことあります。コンピューターに使われているもの」
「海外から輸入しているとは思っていますけど、実際にじゃあどこからっていうのは、あんまり関心がないというか」
「何か分からないですけど、スマホや車の納期が遅れているっていうのは」
今や半導体は、スマートフォンや車、電子レンジからエアコンなど生活必需品の多くに使われています。
きょうから始まった半導体の展示会。
記者
「こちらのディスプレイ。まるで紙のように薄いですが、実は半導体が表面に塗られています」
薄いプラスチックに「有機半導体」という液体に溶かすことができる半導体が印刷されていて、映像を映し出しています。
46回目となるこの展示会に、きょう、現職の総理大臣が初めて来場しました。
岸田総理
「半導体は言うまでもありませんが、デジタル化や脱炭素化、また、経済安全保障の確保を支えるキーテクノロジーです」
なぜ来場したのか、それは「半導体」が経済安全保障上、最大のリスクになっているからです。
記者
「こちら、アメリカのテスラの電気自動車ですが、その内部には数多くの半導体が組み込まれています」
車の電気自動車化やスマートフォンの高性能化で半導体需要は年々上昇。しかし、半導体生産は台湾の一強状態。今年、世界の半導体の受託生産は台湾が66%に上るとの予測も。アメリカのペロシ下院議長(当時)の台湾訪問「ペロシ・ショック」がそのリスクを浮き彫りにしました。
さらに、中国政府は12日、アメリカ・バイデン政権による半導体の輸出規制措置が「世界のサプライチェーンの安定を脅かしている」としてWTOに提訴したと発表。米中対立などにより台湾から半導体が供給されなくなると、▼突然、半導体を使う商品が作れなくなったり、▼値上がりしたりするリスクが常にあるのです。
ラピダス 小池淳義社長
「きょうのこの日は日本の産業界にとって、絶対に忘れない」
トヨタ自動車やNTTなどが出資し立ち上げた、半導体の新会社「ラピダス」。アメリカ・IBMの技術で世界でも実用化されていない2ナノメートルの半導体量産を2027年に目指します。
半導体争奪戦の行方が私たちの生活のカギを握っています。
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