日本がスペインからの豚肉の輸入を停止し、価格の値上がりが懸念されています。日本が輸入する生ハムの7割近くはスペイン産、代わりの生ハムを探す動きも出ています。

■スペイン産の生ハム「半年程で消えるかも」

南波雅俊キャスター:
お酒のおつまみやサラダなどにも使える生ハム。クリスマスパーティーや忘年会など、これから食べる機会も増えそうですが、今回の「スペイン産豚肉の輸入一時停止」が影響を及ぼしていきそうです。

そもそも日本は豚肉の約5割を輸入に頼っています。輸入先としては▼1位がカナダ(25%)、▼2位がアメリカ(22%)、▼3位はスペイン(18%)となっています(農水省資料より)。

そして日本生ハム協会によれば、生ハムも3割~4割を輸入に頼っている状況で、そのうち約7割がスペイン産だということです。

日本が輸入している生ハムは大きく分けて2つあります。▼スペイン産の「ハモン・セラーノ」は、皮をはがして塩漬けし乾燥・熟成、▼イタリア産のプロシュートは、皮つきで塩漬けし乾燥・熟成していて、どちらも完成までに約1年かかります。

これまで日本は、イタリア産の「プロシュート」を多く輸入していました。ところがアフリカ豚熱の影響で、イタリア産の豚肉は2022年~現在まで輸入停止となっています。

実際に、世界の食事情に詳しいフードライターの松浦達也さんは「プロシュートは日本にほぼ在庫なし。ハモン・セラーノも(今回の輸入停止によって)半年程で消えるかも」としています。

イタリアンレストランである「サイゼリヤ」も、2022年の6月以降、イタリア産の「プロシュート」の販売を順次終了し、2023年の10月からスペイン産の「ハモン・セラーノ」を販売してきた状況です。

■サイゼリヤに成城石井…身近な店の対応は?

南波キャスター:
今回のスペイン産豚肉の輸入停止で、スペイン産の生ハムを扱う店舗は今後どうなっていくのでしょうか。

▼サイゼリヤは「在庫や今後の見通しなど情報精査中」、▼成城石井は「アメリカ・フランスなどスペイン以外で原料確保を進める」としています。

フードライターの松浦さんは「日本では“スペイン産生ハム”が希少品になるのではないか」と話しています。

蓮見孝之キャスター:
私もウイスキーを飲みながら生ハムを食べるのが好きで、結構買って帰ることがあります。やはり今回の輸入停止は、生ハムの値段などにも影響するのでしょうか。

南波キャスター:
希少になるので、もう少し高価になってくるのでは、という話もありました。
ただ一方で、よくコンビニやスーパーなどで売っている生ハムの中には、海外から輸入した豚肉を日本で加工して作っているものなどもあります。
そうしたものについては、手頃に買えるような価格帯のものも販売されてる状況です。

■輸入停止いつまで?「豚肉以外の生ハム」という選択肢

南波キャスター:
イタリア・スペイン産豚肉の輸入一時停止は、いつまで続くのでしょうか。

フードライターの松浦さんは、「イタリア産豚肉の輸入は、再開のメドが立っていない。スペインもいつまでかかるか正直わからない」としています。

こうした状況だからこそ、いろいろな生ハムを食べてみてはいかがでしょうか。

例えば豚肉以外にも「鶏の生ハム」や「まぐろの生ハム」などもあり、いま問い合わせが相次いでいるそうです。

先ほど両方食べてみました。鶏の生ハムに関しては、脂身が少ないといった違いはあるものの、言われないで食べたらわからないくらいで、違和感なく食べられました。美味しかったです。

まぐろの生ハムに関しては、生ハム感はあんまり感じなかったものの、まぐろのおつまみとして考えるとすごく美味しかったです。