アメリカで数百万人以上が苦しんでいる「新型コロナ後遺症」。まだ解明されていない治療法研究の壁となっているのが、トランプ政権による医療予算の削減です。
テーブルの上に置かれた大量の薬。
コロナ後遺症患者 レイチェル・ビールさん
「毎日、10種類ほどの薬を飲みます」
アメリカ南部バージニア州に暮らすビールさん。重度の新型コロナ後遺症の患者です。
コロナ後遺症患者 レイチェル・ビールさん
「疲労感、呼吸困難、脳がぼやけてしまう、全身の痛みなど、この4年、様々な症状に悩まされています」
治療法や病気のメカニズムが解明されていないため、サプリメントで症状を緩和させているといいます。
取材中も酸素吸入や十分な休息が欠かせません。
コロナ後遺症患者 レイチェル・ビールさん
「私は働けなくなりました。理想の母親として家族を支えられていません」
いま、ビールさんが最も心配しているのが、トランプ政権による医療予算の削減です。
アメリカ トランプ大統領
「私たちの使命『再びアメリカを健康に(MAHA)』は、歴史的なタイミングを迎えている」
トランプ大統領は「メイク・アメリカ・ヘルシー・アゲイン」=「再びアメリカを健康に」をスローガンに健康政策の充実を訴えています。
ただ、トランプ政権にはワクチンの懐疑派も多く、コロナ対策には消極的で、後遺症患者の支援や研究費なども大幅に削減しました。
こうしたコロナ関連予算の削減は、後遺症の研究にも影響を与えています。
ここ、バージニア大学ではコロナ後遺症の原因と治療法を探る、世界最先端の研究が進められていますが…
バージニア大学 ジエ・サン教授
「数か月間、(政府の)研究資金が停止されました」
予算削減の影響で研究計画に遅れが生じたといいます。
バージニア大学 ジエ・サン教授
「米の大学研究者として、コロナ後遺症治療への政府支援の継続を願っています。なぜなら、治療法の発見に極めて重要だからです」
さらにトランプ大統領は、治療法研究の司令塔役だった厚生省の担当部門を今年6月、突如、廃止しました。トップを務めてきたサイモン博士が、廃止が決まった後、私たちの取材に応じていました。
元米厚生省コロナ後遺症対策部門責任者 イアン・サイモン博士
「(現在の状況は)患者にとって、治療法開発や研究成果を待つ時間が、さらに延びることを意味します」
コロナ後遺症に苦しむビールさん。政府のコロナへの関心が薄れ、「後遺症患者は忘れ去られるのでは」と不安を訴えます。
コロナ後遺症患者 レイチェル・ビールさん
「政府には、コロナ後遺症を優先課題にしてほしい。患者には治療法が必要なんです」
トランプ政権の医療政策は本当に健康をもたらすのか、患者や医療現場の不安は高まるばかりです。
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