去年、首都圏で相次いだ「闇バイト」による連続強盗事件。警視庁などの合同捜査本部はきょう、異例の会見を行い、このうち千葉県市川市の事件に「指示役」として関わっていたとみられる男4人を逮捕したと発表しました。今後、事件の全容解明を進める方針です。

「闇バイト」による一連の強盗事件をめぐっては、去年8月から11月にかけて、東京、神奈川、千葉、埼玉で合わせて18件発生し、横浜市の事件では、住人の男性が暴行を受け死亡する事態に発展しました。

記者(去年10月)
「事件があったのは横浜の閑静な住宅街で、この道を150メートルほど先に行った住宅で男性の遺体が見つかっていて…」

首都圏を震撼させた連続強盗事件。これまでに「実行役」や「現金回収役」など51人が逮捕されていました。

そして、きょう。

警視庁 親家和仁 刑事部長
「警察においては、被害に遭われた方の怒りに応え、また、多くの国民の皆様の不安感を払拭すべく、1年余にわたり全力で捜査に当たり、首謀者の検挙に至りました」

警視庁などの合同捜査本部は、ともに職業・住居不詳の福地紘人容疑者(26)や村上迦楼羅容疑者(27)ら4人を逮捕したと発表しました。

4人は去年10月、「実行役」の別の男3人と共謀し、千葉県市川市の住宅に押し入り、住人の女性(当時50)に暴行を加えて大けがをさせ、現金を奪った疑いなどがもたれていて、実行役に犯行を指示していたとみられています。女性は住宅から連れ去られ、およそ20時間後に埼玉県川越市の宿泊施設で保護されました。

女性の母親
「(事件後に娘と)会ったらもうボロボロでね。かわいそうに…」
女性の弟
「(女性は)肋骨あばらが2本折れて、顔面も2~3倍に膨れ上がっちゃってる」

捜査関係者によりますと、福地容疑者らは「匿名・流動型犯罪グループ」=「トクリュウ」のメンバー。秘匿性の高い通信アプリ「シグナル」で、「パトリック」「ファルコン」など9つのアカウントを使って、闇バイトに応募した実行役らに指示を出していたとみられています。

実は4人のうち3人は、去年9月に千葉県船橋市で起きた傷害事件の捜査対象でした。3人は、去年11月に大量の現金を持ち、日本から出国しようとしていたところを逮捕、その後、起訴されています。

合同捜査本部が3人の携帯電話を押収して解析したところ、いずれかの携帯電話から「現金回収役」の男とのやり取りに関するデータが発見され、指示役特定の捜査が大きく前進したのです。

一連の強盗事件で容疑者などから押収した携帯電話はおよそ750台。合同捜査本部は1年以上かけて解析するなどして、解明を進めてきました。