札幌市・狸小路の映画館「サツゲキ」が2026年3月で閉館することになりました。
この場所での映画興行は100年の歴史があり、多くのファンが名残を惜しんでいます。

井元小雪 記者
「階段を上ると・・・『It’sShowTime!』、一気に映画の世界に引き込まれます」

札幌市の狸小路5丁目にある映画館『サツゲキ』。

大小4つのスクリーンがあり、ミニシアター系を含む多彩な作品を上映してきました。

この場所では100年前の1925年、映画館「三友館」がオープン。
その後、「日活館」、「東宝プラザ」と名前を変えて営業を続けてきましたが、シネコンの増加を受けて2011年に閉館しました。

その9年後。

2020年、「サツゲキ」として復活を果たしました。
来館者(2020年)
「ずっと待っていたので嬉しいです」

もともと別の場所にあった「ディノスシネマズ札幌劇場」を引き継ぐ形で開館した「サツゲキ」。
札幌劇場の壁に書かれていたメッセージも、飾られています。
井元小雪 記者
「地下には壁一面にサインが書かれています。本広監督のものもありますよ」

舞台挨拶で訪れた監督や俳優のサイン。

たくさんの映画がサツゲキから羽ばたいた歴史が刻まれています。

閉館の理由は賃貸借契約が満了したため。
突然の報せに映画ファンは驚きを隠せません。

来館者
「本当に残念。ここでしか見られない映画があった」

来館者
「通うときは1週間に1回くらい。アジア系の映画やってるところ少ないので、ここはすぐやってくれる」

「サツゲキ」は2006年に始まった「札幌国際短編映画祭」のメーン会場としても重要な役割を果たしてきました。
映画祭の創始者、久保俊哉さんは。

札幌国際短編映画祭の創始者 久保俊哉さん
「映画監督にとっては、映画を上映してもらう劇場は大きな役割。短編とはいえ、どんな有名な監督でも最初は無名なので、その最初のステージとして存在している」

久保さんは閉館を惜しみつつ、今後もこの場所との関わりを大切にしたいと考えています。

札幌国際短編映画祭の創始者 久保俊哉さん
「多くの映画監督が札幌から育っていったということが途絶えてしまうのがとてももったいない。(閉館後は)もしかすると映画館としては使われないけど、映画祭の会場として使えるかは追求していきたい」

閉館は、2026年3月29日。
サツゲキを運営する東京の会社は、「シネコンで上映しないような単館系やアート系の映画をファンに届けてきた。それが叶わなくなるのは残念」とコメントしています。














