熊本市東区の健軍駐屯地に今も残る戦争遺構の保存を求める団体が、自衛隊や県などに要望書を提出しました。

これは戦後50年の1995年にRKKが撮影した映像です。健軍駐屯地にある戦争遺構「旧三菱重工業 熊本航空機製作所 第一組立工場」です。現在は自衛隊車両の整備場などとして使われています。

熊本県内の戦争遺構を調査する団体の高谷和生さんによりますと、工場は1942年に着工し、旧日本陸軍の重爆撃機「飛龍(ひりゅう)」を46機製造するなど、航空機産業の県内最大の施設でした。

しかし、陸上自衛隊は、老朽化を理由に建物の取り壊しを計画しています。

そこで、高谷さんたち3人は、西部方面隊や県、熊本市に要望書を送り、建物の保存を求めています。

くまもと戦争遺跡・文化遺産ネットワーク 髙谷和生代表「従業員の方々が約1万8000人という当時の方々のいろんな体験や思いがこの中に重なっているので、しっかり証言として残していきながら、戦争の実相をしっかりと伝えていくためには、この建物をぜひ残していただきたい」