法律事務所の人物になりすまし、高齢女性から現金200万円をだまし取ったとして、詐欺の罪に問われている海上自衛官の男の初公判が28日、広島地裁福山支部で開かれました。検察側は拘禁3年6か月を求刑し、裁判は即日結審しました。

起訴状などによりますと、海上自衛官の齊藤統太被告(27)は9月、複数回にわたり、ほかの複数人とともに、福山市に住む女性(当時82)へ電話し、女性の息子が現金を至急必要としていると思い込ませ、現金200万円をだまし取ったとされています。

28日の初公判で、齊藤被告は「間違っているところはありません」と起訴内容を認めました。

検察によりますと、齊藤被告は、自動車のローンで600万円の借金を抱えており、海上自衛官も休職中だったとして、インターネット上でアルバイトを見つけ、「受け子」となったといいます。齊藤被告は、法律事務所の「阿部」を装って女性と接触。女性から受け取った現金200万円在中の紙袋を共犯者に手渡し、報酬5万円を受領したとされます。

検察は「受け子として詐取金を受領するという重要な役割を果たしたもので、極めて悪質」とし、3年6か月の拘禁刑を求刑しました。一方、弁護側は執行猶予を求めました。

判決は12月23日に言い渡されます。