能登半島地震からまもなく2年。富山県氷見市中心部の商店街では、被災したビルが公費解体され、歴史ある街並みが更地へと姿を変えます。60年以上前、二度と災害に負けないとの決意でつくり上げた場所で、先人の思いを受け継いだまちづくりが始まりました。

運び出されているのは、ふすまやガラス戸といった「記憶」が宿る建具です。

彼らが手掛ける「古材レスキュー」。公費解体される建物から受け継ぐ価値のある古材を救い出し、次の使い手につなぐ取り組みです。

「ザー」

この日、彼らが訪れたのは、氷見市の中心部にある中央町商店街です。
能登半島地震からまもなく2年、この歴史ある町並みの一角が、まもなく公費解体されるのです。

中央町商店街振興組合 竹添英文理事長
「アーケードの付け根に亀裂が入っていて、こういったところも日に日に亀裂が広がっている」

氷見市中央町に住む竹添英文さん。
古材レスキューの立ち上げメンバーの1人で、中央町商店街振興組合の理事長です。

竹添英文理事長
「僕もご縁があって移り住んだ者ですけど、建物自体が特徴的というかレトロな建物で思い入れがありますし、ここにきて家族以上に良くしていただいた方がたくさんおられて、そういった方々がどんどんこの街を離れざるを得なくなったというのが一番自分としてはつらい」