日本三大菜漬の一つ「広島菜」。その姿・形を競う品評会が先週末、広島市の産地で開かれました。そこには、伝統の味を守るこだわりがありました。
広島菜最大の産地、広島市安佐南区川内地区。これから寒さが厳しくなる冬に向け、収穫のピークを迎えます。
その一角で、先週末あった「広島菜まつり」。消費者に広島菜に親しんでもらおうと、シーズン初めのこの時期、地元の生産者らが開いています。会場は広島菜漬の試食販売などで賑わいました。
試食する女性
「おいしーい」
柴田和広 記者
「まつりの目玉が広島菜の品評会です。地元の農家が出品した広島菜の中から姿、形のよいものを選んで表彰します」
ことしは、合わせて31点の広島菜が出品されました。
司会
「安佐南区長賞は高西雅博様です」
1等の安佐南区長賞を受賞したのは、4代目の広島菜農家・高西雅博さんでした。
これが高西さんの広島菜です。どこがいいのでしょうか?
JA広島市地域総合サポーター 荒川恵梨奈 主任
「まずはですね、ここ(お尻の芯)がだいたい500円玉位になるのが基準になります。あとは、ここの筋がスーッと大きくきれいに伸びているの」
このほか審査のポイントは葉の色、株の張り、重さなどで漬物の香りや歯ごたえにも関係するそうです。高西さん本人に聞きました。
広島菜農家・高西雅博さん
「畑から一番いい3つをとって来ました。(Q偶然こういう形になったんですか?)いえ、もう、こういう形になるよう頑張って作っています。漬けた時の香りが良かったりとか、柔らかさだったりとか」
どうしたら理想の形になるのか?高西さんの畑を尋ねました。箱の中に入っていたのは種でした。
高西さん
「この種でこの広島菜ができました」
伝統野菜の広島菜は農家自ら種をとる自家採種をしています。出荷時期によっては別の農家の種も使っていて、今回、受賞した広島菜は木原系という農家の種でした。
高西さん
「緑も濃いいですし、中からしっかり葉っぱも元気に育ってるんで」
しかし広島菜づくりは、種選びだけではありません。
高西さん
「こだわりは近年、異常気象が激しいので土づくりをいろんな資材を入れながらやっています」
その一つが炭です。炭を入れることで微生物がすみやすい環境になるそうです。
高西さん
「天候に負けない、いい土壌を作れば、いい作物が出来るんかなと」
品評会の講評では、入賞した広島菜を「高い栽培技術が詰まった美しい広島菜」と、たたえました。伝統の味は今シーズンも健在です。
高西さん
「これからどんどん冷えていくんで、肉厚になって香りも乗ってきて、最高の広島菜が食べれるのではないかと思います」














