日本ではクマによる被害が相次いでいますが、アメリカのヨセミテ国立公園では過去への反省を踏まえ、世界的にも厳格な対策が取られています。
記者
「美しい景色の広がるヨセミテ国立公園です。年間400万人もの人が訪れますが、クマ対策に関しては厳しいルールを設けています」
アメリカ西部に位置し、東京都の1.5倍に相当する園内には500頭ものアメリカクロクマが生息しています。クマ対策チームが設置されていて、GPS信号などを使い、クマの行動を監視しています。
クマ対策チーム エリン・デグータスさん
「この辺りにはどんぐりなどのエサがたくさんあります。近くにピクニックエリアがあるので、警戒しています」
人が集まる場所にクマが近づいている場合は、現場で目を光らせます。その際に欠かさず行われるのが…
クマ対策チーム エリン・デグータスさん
「食べ物の管理には気を付けてくださいね」
食べ物の管理徹底の呼びかけです。背景には過去への反省があります。
かつてのヨセミテの様子。人が直接クマにエサを与えています。1920年代から40年代ごろまで、人が直接エサをあげたり、残飯を集めておびき寄せたりと、クマは観光の目玉として利用されていました。
しかし、人がクマにひっかかれたり、車が荒らされるなどの被害が多発。多い時では年間100頭もの殺処分につながったことなどを教訓に、今では徹底した食べ物の管理が行われているのです。
クマ対策チーム エリン・デグータスさん
「中の仕掛けを押すと開きます」
キャンプ場にはベア・ボックスと呼ばれる保管庫が1000個以上設置されています。
しかし、見回り中には放置されたワインの空きボトルと洗剤を発見。こうした匂いにもクマは引き寄せられます。
クマ対策チーム エリン・デグータスさん
「様々な対策はありますが、そもそも人間の食べ物をクマに与えないことが最も有効なんです」
ヨセミテでは、保管庫の利用が国の法律に基づいて義務づけられています。今回は警告だけでしたが、最大5000ドル、日本円でおよそ78万円の罰金が科されるなど、世界的に見ても厳しいルールだといいます。
観光客
「違反した人に対して厳しい罰則がなければ、多くの人はルールを守らないと思います」
啓発活動の効果もあって、現在、クマ被害はピークだった1998年の2%ほどに。殺処分も年間2頭ほどに抑えられているといいます。
クマ対策チーム エリン・デグータスさん
「『餌付けされたクマは死んだも同然』という考えがあります。人の食べ物の味を覚えたクマは攻撃的になり、リスクと判断されれば、駆除せざるを得ないのです」
被害を防ぐためには、我々、人間側が食べ物の管理を徹底することが一つの手立てと言えそうです。
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