高市総理の台湾有事をめぐる発言に対し、中国側は反発をさらに強めています。中国外務省の報道官は、さきほどの会見で今週末のG20サミットで李強首相と高市総理が「会う予定はない」と述べました。
高市早苗 総理
「戦艦を使ってですね。そして、武力の行使を伴うものであれば、これはどう考えても存立危機事態になりうるケースであると私は考えます」
今月7日、台湾有事をめぐり、こう答弁した高市総理。
立憲民主党 大串博志 衆院議員
「取り消す、あるいは撤回するというようなことをされたほうがいいのではないかと思いますが、いかがでしょうか」
高市早苗 総理
「特に撤回、取り消しをするつもりはございません」
台湾有事は存立危機事態に当てはまるのか、歴代政権は明言を避けていて、高市総理も「最悪のケースを想定したもの」「従来の政府の立場と変わらない」などと釈明しています。
しかし、高市総理の答弁に対し、中国側は強く反発。先週13日には、中国外務省の孫衛東外務次官が金杉憲治大使を呼び出して厳重に抗議し、発言の撤回を求めました。その翌日には…
中国外務省
「当面、日本への渡航を控えるよう厳重に注意喚起する」
理由について「日本の指導者が台湾問題に関して挑発的な発言を行い、中日間の人的交流の雰囲気を著しく悪化させた」と主張しています。
さらに、きのうは中国教育省が日本への留学を慎重に検討するよう呼びかけたほか、文化観光省も日本への旅行を控えるよう注意喚起を行いました。
中国側の相次ぐ対抗措置により、すでに日本行きの団体旅行が複数キャンセルになるなど影響が出始めています。
北京市民
「(Q.今後、日本に行くか?)個人の安全が最優先です。状況は変化し続けているので様子をみます」
「(渡航自粛の呼びかけについて)私は気にしません。これは政治的な問題で、民間の文化交流と旅行に影響はないと思います」
これまでもたびたび緊張の高まりを見せてきた日中関係。2001年から2006年まで当時の小泉総理は毎年1回、靖国神社を参拝。2005年には中国で反日デモが広がり、大使館の建物にも被害が出ました。2010年には尖閣諸島沖で海上保安庁の巡視船と中国漁船が衝突。緊張の高まりから中国はレアアースの対日輸出を停止し、日本の産業界は大きな打撃を受けました。
今回の「存立危機事態」発言をめぐる緊張の高まりの影響はどこまで広がっていくのか。
2005年から日中の対話の場として毎年開かれている「東京―北京フォーラム」が今年も今月22日から北京で開催される予定でしたが、主催する日本の民間団体「言論NPO」はきょう、共催する中国側の団体が延期を通告してきたと明らかにしました。
そして、さきほど行われた中国外務省の会見では…
中国外務省 毛寧 報道官
「日本側が歴史と二国間関係に対し責任ある態度を持ち、一線を越えた火遊びをやめ、誤った言動を撤回するよう促す」
また、今週末、南アフリカで開かれるG20サミットで「李強首相は日本の指導者と会う予定はない」と述べました。
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