ふわふわの生地に挟まれた、たっぷりのクリームと果物。
今回の「しずおか産」は創業120年!老舗菓子の「どらサンド」です。
富士宮市小泉にある老舗菓子「もちのき」。2025年に創業120年を迎えるこの店では50種類以上の和菓子と洋菓子を販売しています。
昔から常連客に愛されている自慢のどら焼きは、生地に地元・朝霧高原でとれた新鮮な卵を使い、1枚1枚、職人の手で丁寧に作り上げます。
<もちのき 鈴木計尋会長>
「もう少し泡が出るタイミングでひっくり返す。見ていれば泡が教えてくれるから」
Q.ひっくり返すのも技が必要だと思うが?
「慣れれば大丈夫。ことし77だから、57年くらいやってるかな」
このどら焼きの皮を使った和洋菓子店ならではの看板商品があります。今までにない和洋折衷の新感覚スイーツ「どらサンド」。どら焼きの皮にイチゴやバナナなど5種類のフルーツと粒あん・生クリームを挟みます。
どらサンドは見た目の美しさも人気の理由の一つです。

<もちのき 鈴木正彦社長>
「きった時にきれいに断面が出るようにのせてます。色合いも随分研究して考えました。結構ボリュームあるんですけど飽きずにペロッと食べれちゃうと思います」

普通のどら焼きと比べると大きさは約3倍。4分の1にカットした際の断面がポイント。老舗ならではの“和の技”と、“洋の華やかさ”が融合した新感覚スイーツとして人気を集めています。
<社会部 田島かのん記者>
「いただきます。さっぱりとしたフルーツと、ふわふわなどら焼きの皮が合います」
<もちのき 伊藤博子統括本部長>
「どらやきの皮の甘みと、当店の生クリームはさっぱりと仕上げてあるので、決め手は粒あんです。その粒あんが和と洋を融合させてくれます」
どらサンドを開発したのは鈴木社長の姉・伊藤博子さん。新しい菓子作りには和洋菓子店ならではの苦労もありました。
<伊藤本部長>
「『もちのき』といったら『これ』というものも無ければ、お饅頭屋から始まったので和菓子色も強くて、絶対に和と洋のいいところを合わせようと思いました」
最初は、どら焼きの皮を使って果物やクリームを包む「どらクレープ」。次に直径15センチの「どらピザ」。
<伊東本部長>
「試作は数えきれないほど。毎日とにかく試行錯誤。フルーツを切って入れ込んでみたりとか色々やったんですけど、なんかしっくりこなくて」
そして、半年間かけて、たどり着いたのがどらサンドでした。
さらにどらサンドに注目が集まったのが、2022年に富士宮市で行われた将棋の竜王戦。藤井聡太さんが対局中のおやつに選んだことで人気に火が付きました。これまでに販売した数は、約30万個に上り一躍、地元を代表するお菓子となりました。
<鈴木社長>
「『もちのき』といったら『どらサンド』だよね、と言っていただければと思います。長く続くというのは大変なこともあるんですけど、どうにかして続けていくことを心がけています」
伝統を受け継ぎながら時代とともに進化する味。富士宮発、老舗菓子店の挑戦は、これからも続きます。
店頭には定番の味と季節の味の2種類が並び、今の季節は「キャラメルナッツバナナ」だということです。さらに、どらサンドから派生して「どらレット」という新たな看板商品も一押しだということです。














