タイ国籍の12歳の少女が東京都内のマッサージ店で違法に働かされていた事件で、警視庁は児童福祉法違反の疑いで台湾で拘束されている母親の逮捕状を取得しました。母親は台湾で一体何をしていたのでしょうか。
今月4日、警視庁の家宅捜索が入ったのは、東京・文京区のマッサージ店。店を経営する細野正之容疑者(51)がタイ国籍の12歳の少女を違法に働かせていたとして逮捕されました。
少女は、今年6月に20代の母親と一緒に来日。母親が店に少女を紹介したといいます。
少女の母親
「また迎えにくる」
置き去りにされた少女は店で性的なサービスをさせられ、ひと月余りで61人を接客したとみられています。
少女
「タイに帰りたい」
今年9月、少女が東京出入国在留管理局に駆け込み、事件が発覚。
警視庁は、母親が少女にみだらな行為をさせることを知りながら店に紹介したとして、児童福祉法違反の疑いで、少女の母親の逮捕状を取得しました。
母親は現在、東京からおよそ2100キロ離れた台湾で、台湾当局に身柄を拘束されています。
記者
「地元の人によりますと、この周辺は、いわゆる売春宿が点在しているといいます。母親は桃園市内で売春行為にかかわっていたということです」
少女を日本に置き去りにした母親は、一度、母国のタイへ戻り、その後、シンガポールへ。親族によると、シンガポールではあまり稼げず、台湾に向かったということです。
地元の人
「桃園のこのあたりは(売春をあっせんする店が)特に多いです。午後3時を過ぎると、後ろの通りの店にいっぱいいますよ。タイ人、ベトナム人にインドネシア人もいます」
近くの店の人
「以前は外国人をあまり見なかったけど、この2~3年でよく見かけるようになった。この周辺の店はよく警察が警戒していますよ」
これまでに日本や台湾、ベトナムなど27回の渡航履歴があったという母親。タイで暮らす祖父母を含め、家族の生活費を1人で工面していて、出稼ぎのために、少女ともほとんど一緒に生活していなかったといいます。
タイ警察はきのう、日本側との捜査協力を図るため、幹部らを日本に派遣。きょうは少女が働かされていた東京・湯島の店の視察をしました。
警視庁は人身取引の一端とみて、ブローカーがいる可能性も視野に調べています。
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