耐震性の問題が指摘されている静岡市役所・清水庁舎について、JR清水駅東口に移転・新築する方針を発表した静岡市は、地元住民向けに説明会を開きました。

住民から、津波への不安の声が多く上がる中、難波市長は「一つ一つ丁寧に答えていくことが大事」と強調します。

11日夜、静岡市が開いた「住民説明会」。テーマは市が移転・新築する方針を発表した清水庁舎についてです。

老朽化が進む清水庁舎。市が移転先に選ぶのは現在の庁舎から約1キロほど離れた場所にあるJR清水駅東口です。

このJR清水駅周辺は、清水さくら病院のオープンや駿河湾フェリー乗り場の移転、さらに、新たなサッカースタジアムの建設が検討される遊休地もあり、市は、このエリアに「都市機能を集約」し、清水のまちの再生を進める考えです。

説明会には難波市長も姿を見せ、これまでの議論の経緯や新築の方針を決めた根拠などについて示されましたが、参加者からは津波浸水区域への移転に対する疑問の声が相次ぎました。

<地元住民>
「JR清水駅東口の駅前というのは、海から100メートルもないんですね。清水の駅前になんで持ってくるんだろう。津波はすぐ来るんです」

<地元住民>
「どういうふうな街にしたらいいのかというのは、清水区民の皆さんにもっと意見を出し合ってもらって、作っていくべきだと思う。それより先に、この海岸ベタにお役所としてまちづくりをするんだっていうのは、私は問題があると思う」

こうした意見を受け難波市長は。

<静岡市 難波喬司市長>
「最悪の事態を想定をして、浸水をするという前提でも、0.1メートルから0.6メートルぐらいの浸水深ということになります。津波が来ても地震が起きても大丈夫なような耐震性がある・耐津波性がある庁舎をつくる、そして電源をしっかり確保するということをやるので」

当初の予定時間をオーバーした説明会。トップ自らの説明に参加した住民の反応はさまざまです。

<説明会に参加した住民>
「自分から説明してくれるという誠意は感じて、好感はありますけど。どうしても2011年の大震災のイメージがありますから、わざわざ想定区域に行くのが不安」

<説明会に参加した住民>
「我々も新しく考えを変えていく必要があるなと思いました」

<難波静岡市長>
「これから具体的なご心配が出ると思いますので、一つ一つ丁寧にお答えしていくというのが、大事だと思う」

市は13日から開会する静岡市議会11月定例会で議論していきたいとしています。