高市総理の台湾有事に関する国会答弁をめぐって、中国の大阪総領事がSNSに「汚い首は斬ってやる」などと投稿したことを受け、自民党の小林政調会長は毅然とした対応を政府に求めていく考えを明らかにしました。

高市総理が台湾有事をめぐって、集団的自衛権が行使できる「存立危機事態」にあたる可能性があると答弁したことに対し、中国の薛剣駐大阪総領事は8日、「勝手に突っ込んできたその汚い首は一瞬の躊躇もなく斬ってやるしかない」などと自身のXに投稿しました。

これを受け、自民党は11日、外交部会などの合同会議を開催し、小林政調会長は投稿が「大国の外交官として著しく品位を欠く極めて不適切な言動」だと批判しました。

そのうえで、「中国政府には日中関係の前進に向けた取り組みを強く求める」とし、「対応に何ら進展や努力が見られない場合は、駐大阪総領事に対して、ペルソナ・ノン・グラータを含む毅然とした対応を政府に求めたい」と述べました。

ペルソナ・ノン・グラータは「好ましからざる人物」という意味の外交用語で、外交官の受け入れ国が派遣国に対し、理由を告げることなく、滞在を拒否することができるものです。

総領事のSNS投稿をめぐっては、木原官房長官が中国側に強く抗議していて、すでに投稿の一部は閲覧できなくなっています。

一方、野党もこの投稿を問題視しています。

公明党 斉藤鉄夫 代表
「いわゆる品位に欠けますし、また、恫喝ともとれる発言は外交官としてあるまじき発言だと」

公明党の斉藤代表はこのように述べ、「中国政府も発言を擁護するのではなく、外交官として適切な発言をすべきだと指導すべき問題だ」と中国大使館に伝えたことを明らかにしました。