2025年は昭和元年から数えてちょうど100年です。静岡市にある老舗洋食店が「本物の味を気軽に味わってほしい」と、先代が一皿に込めた想いを守り繋いでいます。

JR静岡駅から徒歩5分の「レストランAoki」。昭和55年(1980年)創業、日差しの差し込む暖かな空間で本格的な洋食を楽しむことができます。

<客>
「娘が20代前半なんですけど、娘が小学生くらいから。お値段もリーズナブルで本当に家庭的な味と雰囲気がとても気に入っています。」

お昼時に人気なのがランチセット。ボリュームたっぷりで900円です。

Aランチは1週間じっくり煮込んだデミグラスソースがかかったハンバーグ。さらに出汁からこだわったお味噌汁がつくのもポイントです。

2代目の青木大悟さん。お店を継いで18年になります。

<レストランAoki2代目 青木大悟さん>
「値段はあげたくない。近くのサラリーマンの方とかも美味しく食べていただけるように。父がずっと安く・美味しくをモットーにやっていたので、そのまま引き継いでやっている」

今も大悟さんと一緒に厨房に立つ父・道夫さんは元々、中島屋グランドホテルでシェフをしていました。同僚だった妻・ゆう子さんと45年前にお店を始めました。

<妻・ゆう子さん>
「とても美味しいんですけどね、高級なんですよ。フォークが10本くらい並んでて端から食べていくような。それを安くて誰でも気軽に入ってきて、美味しく食べれるようなお店を出したいなと思って主人と始めました」

創業当時から不動の人気メニューが、ほたて貝のプロヴァンス風。

トマトとニンニクの効いた、ほたて貝のグラタンです。ほたて貝は産地にこだわらず、その時期に1番良いものを厳選しています。

皿の縁を飾るマッシュポテトは中島屋グランドホテルのスタイルを受け継いでいます。1から手作りにこだわったマッシュポテトとグラタンの相性は抜群です。

2代目シェフの大悟さんは18歳で道夫さんと同じ中島屋グランドホテルから料理の道に入りました。その後、東京のフレンチで腕を磨き、お店を継ぎました。

<大悟さん>
「幼い頃から文集などにも将来はコックになるって書いてたんで。親の洗脳ですかね(笑)」

ポークソテーは元々あったレシピに大悟さん考案のオレンジソースを追加。ごはんに合うように、隠し味にしょう油を使っています。

<大悟さん>
「昔からある良いものはそのまま残して、さらにそこに僕が培ってきたものを加えてどんどん進化しています」

一緒に厨房に立つのは大悟さんの息子の麗士さん、将来を見据え、次の春から調理師専門学校へ行くことを決めました。

<麗士さん>
「お客さんがフレンドリーで好きです。常連のお客さんとかすごくたくさんいて。今ある味が正直美味しいと思うんで、それを守っていきたい」

昭和から令和へ。レストランAokiの味が次の世代へ受け継がれていきます。