今年8月、山口県宇部市沖で漁船が転覆して夫婦2人が死傷した事故で、この漁船に衝突したとされる漁船の船員の男の初公判が4日、地裁宇部支部で開かれました。検察側は男が操船中、タブレットのマージャンゲームに集中し、目視や見張りを怠ったことが事故につながったと指摘。拘禁刑2年6か月を求刑し、審理を終えました。

業務上過失致死傷と業務上過失往来危険の罪に問われているのは、愛媛県宇和島市の船員の男(26)です。

起訴状によると、男は今年8月3日午後9時10分ごろ、適切な見張りを行わずに漁船を操船し、夫婦2人が乗った漁船に衝突。船長の男性に軽傷を負わせ、妻を死亡させたとされます。
山口地裁宇部支部で開かれた初公判で、男は「間違いありません」と、起訴内容を認めました。
検察側の冒頭陳述によると男が操船業務を引き継いだ時から、タブレットでマージャンゲームに集中し、目視や見張りを怠っていたことを明らかにしました。「ガタガタ」と音がして外に様子を見にいき、漁船の転覆に気づきましたが、船長には「何もありません、流木です」とうそをついたということです。
検察側は「対応も極めて悪質で、責任は重大」として、拘禁刑2年6か月を求刑。弁護側は執行猶予付きの判決を求めて、審理を終えました。判決は今月18日に言い渡されます。
  













