騒音が懸念されている航空自衛隊新田原基地でのF35Bの訓練。
特に、問題となっている垂直着陸とはどのようなものなのでしょうか?
最新鋭ステルス戦闘機、F35Bの最大の特長は「垂直着陸」が可能な点ですが、この「垂直着陸」と「通常の着陸」では、かかる「時間」と「騒音」に大きな違いがあります。
まず、「通常着陸」では、徐々に高度を下げて着陸します。着陸までの時間はおよそ24秒間、騒音は最大92デシベルとなっています。

一方、「垂直着陸」では徐々に高度を下げ、高度30メートル付近でおよそ30秒間、ホバリングを行います。
その後、さらに30秒かけてゆっくり垂直に降下して着陸するため、合計でおよそ2分かかります。
この垂直着陸時の騒音は最大130デシベルに達します。

この騒音レベルはどの程度のものでしょうか。
通常がカラオケ店内程度の90デシベルに対し、垂直着陸の場合、戦闘機が高度300メートルにあるときが110デシベル、高度75メートルにいる場合は130デシベルとなっています。
これは、飛行機のプロペラエンジンが近くにある音に匹敵し、「痛い」と感じるほどの音量です。

一方、こうした激しい騒音に対し、防衛省は負担軽減策を示し、夜間の垂直着陸訓練を減らすとしていて、2029年度以降は40回程度実施するとしていましたが、20回程度まで減少されるということです。

ただ、訓練の実施は続く限り、住民の負担はなくならず、今後も国には丁寧な説明と対応が求められます。
防衛省は、今年度、F35Bを8機、新田原基地に配備する計画で、残り3機の配備時期は調整中としています。














