世界のライバルと開発競争を進める堀江貴文さんのロケットベンチャー。新たに手を結んだのは大樹町からおよそ600キロ離れた福島県のマチでした。
「可動域確認テストを行います。3、2、1」
これは、ロケットの姿勢をコントロールする部品の試験の様子です。本番は、上下逆さまにして使われるもので、「ジンバル」と呼ばれる重要な部品のひとつです。
福島県東部に位置する南相馬市。ソーラーパネルが建つ場所は、津波の被害を受ける前は豊かな田園地帯でした。部品の試験を行ったのは、北海道大樹町のロケットベンチャーインターステラテクノロジズです。
インターステラ社 稲川貴大 社長
「福島県内での航空宇宙クラスターと連携させていただいて、開発をより加速させたい」
『世界で最も安い価格で宇宙にモノを運ぶ』…宇宙の価格破壊を目指すインターステラ社。
記者
「HBCです。よろしくお願いします」
2023年度以降の小型の人工衛星を運ぶ新型ロケット「ZERO(ゼロ)」の打ち上げを目指し、福島にも開発拠点を構えました。
福島県南相馬市 門馬和夫 市長
「間違いなく全国的に人口減少の中で、人の取り合い、新しい技術の取り合いは必ずある。その時に地域の強みをどう出せるか」
南相馬市の萱浜(かいばま)地区、復興の象徴として建てられたのが「ロボットテストフィールド」です。災害現場での活動を想定したロボットの性能試験をできる施設が揃っています。
さらに、南相馬市には「モノづくり」を支える大事な要素がありました。
金属加工を得意とする「HAT(エイチ・エー・ティー)」。
エイチ・エー・ティー福島事業所 製造部 佐藤弘隆さん
「航空機の部品の加工をしています」
電気で部品を切断する放電加工の技術で誤差1000分の5ミリという精度が自慢です。この技術力を見込まれて、ロケットの姿勢を制御する部品製造を依頼されました。
エイチ・エー・ティー福島事業所 橋本崇志 所長
「ロケットや航空部品はもともと加工していたので(インターステラ社の依頼も)その辺に関し懸念や心配はなかった」
近くには、飛行機のジェットエンジンを製造する大手メーカーがあるため、周辺にはロケット部品の製造を任せることができる企業がそろっているのです。
エイチ・エー・ティー福島事業所 橋本崇志所長
「初めて何に使われているのかわかりました。立派に動いていました。このまま活気づいてもらえればうれしい」
インターステラ社 稲川貴大 社長
「北海道だけじゃなくて、全国で日本全体でベストなものを造らないとそもそも世界に勝てない。日本を代表するロケットになるため全部考えていく」
世界のロケット開発競争を勝ち抜くため、インターステラ社は福島の精密な加工技術も取り入れながら、震災復興にもひと役買おうとしています。
12月9日(金)「今日ドキッ!」午後6時台
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