10月26日、静岡と長野の県境で、お互いの『領土』をかけて争う恒例イベント「峠の国盗り綱引き合戦」が行われ、静岡県側の「遠州軍」が3大会ぶりに勝利を収めました。

1987年から続く「峠の国盗り綱引き合戦」。

静岡県浜松市天竜区水窪町の「遠州軍」と、長野県飯田市南信濃の「信州軍」が、綱引き3本勝負で県境を決め、『領土』を奪い合うという伝統のイベントです。

もちろん、実際の県境が変わるわけではありませんが、2本先取した方が、1年間自分たちの『領土』を相手側に1メートル分広げることができます。

合戦の舞台は両県の境目にあたるヒョー越し峠。

これまでの戦況は▼遠州軍が15勝▼信州軍が19勝。遠州軍が4メートル分攻め込まれている状況です。

両軍の精鋭10人ずつが綱を握る直前、朝から降り続いていた雨が止み、晴れ間が。お互いの市長による口上の後、戦いの火ぶたが切られました。

勝負は拮抗。遠目から見れば両軍とも微動だにしていないようですが、足元を見ると、じりじりと勝負は進んでいました。

そして、後半に一気に攻め込む作戦で、遠州軍が立て続けに2勝。

3大会ぶりに16回目の勝利を収め、信州軍から『領土』を1メートル奪い返しました。とはいえまだ信州軍が、遠州軍の3メートル分の『領土』を確保している状態です。

遠州軍が狙うのは「諏訪湖」、海なし県の信州軍は目指すのは「遠州灘」。遠州軍が諏訪湖を盗るには、9万連勝が必要です。

合戦後は、両軍1人ひとりがしっかり握手。肩を並べて記念撮影。土地の境はあるものの、両軍の絆は越境しているように見えました。