山口大学は30日、来年度以降の入学者などの授業料を、約10万円増額すると発表しました。学生や教職員の一部から見直しを求める声が上がる中での決定で、「強行だ」という批判も出ています。
午後、大学の会見が開かれるのを前に、値上げに反対する学生、教職員、教職員組合が抗議の声を上げました。
山口大学学費値上げに反対する学生有志の会 中村悠璃 代表
「学生の声を聴くつもりが全く大学側にはありません」
先月25日、大学は授業料改定の準備を進めるとホームページで公表。一部の学生や教職員らは、来年度入学者の一部入試出願後の公表であることや、学生らの意見を聴いておらず手順が不適切として撤回を求めていました。
会見で谷澤幸生学長は、学士課程で来年度、博士前期課程で再来年度の入学者から、授業料を20%増額して64万2960円に決定したと発表。「決定・公表までの展開が急であったなどの指摘は真摯に受け止める」とした一方、国からの交付金は下げ止まり、人件費や物価の上昇などにより教育研究環境の整備のための財源が不十分で、「一刻も早く着手する必要があった」と説明しました。
谷澤学長
「せめて1か月程度でも早く最初の声明を出せたらよかったかなと思うところではございます。100%学生のみなさんに還元する」
値上げによる増収は、最終的に7億8000万円程度となる見込みで、大学内のネットワーク環境や空調設備などの整備に使いたいとしています。
会見後、学生の1人が学長に訴えました。
谷澤学長
「できるだけ学生の要望を聞きたいという立場でやっておりますので、それはすべての学生に共通しております。それは変わりません」
学生
「私たちとしては聴いていただけてない」
5000人ほどの署名も手渡しました。
学生有志の会 中村代表
「私たちとしては要請書もあげてきましたし、抗議声明もあげてきて、学生の声が全く聴かれていないということを伝えてきたんですけど、学長のほうは説明は十分だという説明しかくれない」
国立大学の授業料値上げをめぐっては、これまでに関東圏や都市部の大学で実施・決定されていますが、地方の国立大学では初めてとなる見通しです。














