農業や害虫駆除の現場では モズは「生きた防除資源」

現在、農業や害虫防除の現場でも、モズのような天敵生物は『生きた防除資源』として見直されています。

そんなに簡単に害虫を全滅させることはできませんが、農薬などのみに頼らず、自然の食物連鎖を活かすという考え方です。

はやにえは残酷に見えても、モズが生き残るための保存食であり、忘れられたはやにえもほかの生き物の餌となり、そのうち肥料になる「循環」の糧となります。

身の回りで見かけるモズは小鳥ですが、その生きざまの背後には、私たちの社会の備えと重なる部分もあるかもしれません」

「秋の空の下、響くモズの高鳴き。その近くには、枝に刺さったモズの犠牲となった生き物が刺さっているかもしれません。

モズが刻む、秋から冬への生き物たちの命の記録。モズの獲物となる小動物にとっては恐怖の天敵、一方私たちにとっては季節を告げ、害虫を駆除してくれる益鳥。

小さなハンター、モズの姿をぜひ見守ってあげてください」