27日午前、岩手県一関市厳美町の住宅敷地内で67歳男性の遺体が発見されました。
遺体には爪の痕や噛み傷があり、警察はクマに襲われたとみています。
現場付近では午後、クマ1頭が駆除されました。

亡くなったのは一関市厳美町の無職佐藤富雄さん67歳です。
警察によりますと、27日午前10時40分ごろ、佐藤さんの親族から「連絡が取れない」と警察に通報があり、駆け付けた警察が住宅の敷地内で佐藤さんの遺体を発見しました。

遺体にはクマの爪で引っかかれた痕や噛まれた傷があり警察はクマに襲われたとみています。
また、遺体の近くでは佐藤さんの飼い犬1匹が死んでいるのが発見されました。
午後2時前にイヌの死骸のところに来たクマ1頭を駆除しました。
駆除されたクマは体長1メートル50センチ、体重70キロのオスの成獣で今後、DNA鑑定を進めて佐藤さんを襲ったクマと同一個体かを調べることにしています。

現場は山間(やまあい)に田畑や住宅が点在する地域で、22日には現場からおよそ1キロ離れた別の住宅敷地内で飼い犬がクマに襲われて死んだり、車のバンパーが壊されたりする被害が確認されていました。
相次ぐクマの出没と被害に住民は不安を募らせています。

(近所に住む人は)
「コメなんかは、ずいぶん荒らされたけど。そういう被害はあったんだけど。こういうことは初めてだね」

人身被害を受けて一関市は午後に会見を開きました。

(佐藤善仁一関市長)
「全国、岩手でも被害が続いていて非常に緊張した状態で対応を急いでいたのですけれど、非常に残念な結果です」

市は防災行政無線などで市民に注意を促しているほか、児童生徒は保護者が送迎するなどの対応を求めているということです。