日本の安全保障政策の大転換となる相手国に先にミサイルを撃ち込む「反撃能力」の保有。行使することで“戦争がエスカレートする”恐れが指摘されています。安全保障環境が厳しさを増す中、いま欠けている「議論」とは…

■「反撃能力」の保有 岸田総理「防衛力強化を国際社会に示す」

防衛費は来年度から5年間で43兆円。防衛費の“大幅増額”を指示した岸田総理。7日、与党の幹部が協議し、財源については歳出改革や剰余金の活用を優先し、不足分を増税でまかなうことで合意しました。


自民党 萩生田光一政調会長
「来年、直ちに増税するということは、まったく考えておりません」


今回、安全保障政策の大転換となるのが、これまで「敵基地攻撃能力」と呼んでいた「反撃能力」の保有です。日本に対して相手国がミサイル攻撃に着手したと判断されれば、発射前に相手国にミサイルを撃ち込むものです。先に相手国にミサイルを撃ち込むため、国際法に違反する“先制攻撃”と見なされる恐れがあり、岸田総理も判断の難しさを認めています。


社民党 福島みずほ党首(12月2日)
「日本が攻撃されていないんですよ。敵基地を叩く、攻撃するというのは、まさに先制攻撃じゃないですか」


岸田総理
「先制攻撃の判断というのはまことに難しい、これが現実であります。しかし我が国として憲法、国際法、国内法の範囲内で、我が国の防衛力を強化していく。こういった姿勢を国際社会にしっかり示していかなければなりません」