今秋県内で初めてクマの人身被害のあった富山県立山町では、自治体が発砲許可を出すことができる緊急銃猟の訓練が初めておこなわれました。

「緊急銃猟を行う可能性があるので報告します」

緊急銃猟とは市街地にクマが出没した場合、市町村の判断で、ハンターに発砲許可を出すことができるものです。

訓練には役場の職員と鳥獣被害対策実施隊などが参加し、体育館にクマが立てこもった想定で行われました。

役場の職員や警察官が住民の安全確保とクマが逃げた場合に備え周辺道路を封鎖。役場の職員が現場の状況を町長に伝え発砲許可が下りると。

立山町農林課 佐伯悦野課長
「緊急銃猟の実施を委託します」

「1発発砲しクマに命中しました」「ただいまクマの死亡を確認し緊急銃猟による捕獲が完了したことを報告します」

町ではクマの出没が相次いでいて今月9日には高速道路上でクマ3頭が車に轢かれ死亡。

20日はゴミ置き場で80代の女性がクマに後ろから突き飛ばされ、背中を引っかかれる被害がありました。

今回の訓練では街なかで緊急銃猟を行う場合の安全性や住民の避難誘導など課題も見つかりました。

立山町農林課 佐伯悦野課長
「今回シナリオを作ってからマニュアルに基づいて進めたわけですけども僕らが想定したよりも自治体や警察の方が言う(封鎖の)位置関係の方がやっぱり正確だったのでそういったことをこの後反映させていければ」

立山町では今回の教訓を踏まえ緊急銃猟時のマニュアルの整備を今月中に完了するということです。