最後のサイレンしか鳴らず…
坪井ポンプ場の周辺住民は、当時の様子をこう振り返ります。
住民・70代「『ウー』と鳴っているのが夜中に聞こえて、それが一番最後のレベルのサイレン」

3段階あるサイレンのうち、最も警戒度が高い時のサイレンしか鳴らなかったということです。
サイレンは住民にとって避難行動の大きな指針でした。

住民・70代「車を全部高台に移動させたり、坪井4丁目は高いので、向こうの方に移動したりするけど、今回はサイレンが鳴らなかったので、みんな車が浸かってしまった」
この辺りに30年以上住む人は、自宅は床上1m浸水、車2台が水没したといいます。
住民・80代「これまでは『サイレンが鳴るから早く車を移動させよう』と言っている間にポンプのおかげで水位が収まっていた。今回もポンプが動けば…。『人災だ』とみんな言っている」

ポンプ場の電気設備が浸水で故障し、約14時間にわたって、3台あるポンプ全てが停止したとみられていて、市は最大で1万500㎥の水を排出できなかったと推定しています。
住民・80代「今から家を高くすることはできないから、ポンプ場を整備して、早めにサイレンを鳴らしてほしい」
こうした声もあり、市はポンプ場の電気設備を水が浸からない高さまでかさ上げし、来年の梅雨までに工事を完了させる方針です。