お笑いコンビ・パンサーの向井慧さんが、ロケバスの中で、周りにバレないよう嗚咽をこらえながら観たという一本の映画。それが、俳優・當真あみさんが長編映画初主演を務める『ストロベリームーン 余命半年の恋』です。

ココリコの田中直樹さんも「呼吸ができなくなるほど泣いた」と絶賛する本作。
沖縄でスカウトされ、またたく間にスターダムを駆け上がった18歳の次世代ヒロインは、一体どんな想いでこの難役に向き合ったのでしょうか。その素顔と作品の魅力に迫ります。

(TBSラジオ『パンサー向井の#ふらっと』2025年10月14日放送より)

「自分がこの世界に入るなんて」沖縄での運命的な出会い

當真あみさんは、2006年生まれ、沖縄県出身の18歳です。そのキャリアの始まりは、中学生の時に地元・沖縄で受けたスカウトでした。

「今の事務所のマネージャーさんに沖縄で声をかけていただいて」。それまで、自分が芸能界に入ることは「全く想像してなかった」と語る當真さん。最初は「自分にできるのかな」と迷っていましたが、「やりたいならやったらいいんじゃない?」という両親の言葉に背中を押され、この世界に足を踏み入れました。

その後の活躍はまさに破竹の勢いでした。わずか数ヶ月後にはリクルートのCMに抜擢され、翌年にはドラマ『妻、小学生になる。』で俳優デビュー。さらに、カルピスウォーターのCMキャラクターに就任するなど、輝かしい経歴を重ねていきます。

「こういう女優さんになれたらな」俳優としての成長と転機

演技経験が全くない状態から始まった俳優業。最初の頃は「とにかく緊張してて、セリフを間違えないようにとかそっちに気が向いちゃって」と、とにかく必死だったといいます。しかし、経験を重ねるうちに「お芝居でしか経験できないものだったり、いろんな役として楽しいなっていう風に感じることが多くなって」と、その魅力に引き込まれていきました。

大きな転機となったのが、あるドラマで共演した俳優・松岡茉優さんの存在です。

「ワンシーンがものすごく長かったりしたんですけど、何回やってもこのお芝居に引き込まれるというか。その力強さと、空気全部巻き込んでやるお芝居のエネルギーに圧倒されて」。

現場での立ち居振る舞いも含め、「こういう女優さんになれたらな」と強く思ったといいます。

人見知りから「現場で明るく」。主演がもたらした変化と意外な素顔

様々な作品で経験を積み、今年は連続ドラマや映画で主演を務めるようになった當真さん。その立場は、彼女自身にも変化をもたらしました。

もともと自分から話しかけるのが苦手な人見知りだったといいますが、「主演としているからには、積極的に自分からコミュニケーションを取るように」と意識。「現場で明るく、入った時はもう大きい声で『おはようございます』から」と、自ら現場を盛り上げることを心がけているといいます。

一方で、休日はアクティブなアウトドア派です。「1人で旅行行きたいなって思ったとこに行ってみたり」と語り、最近も一人で京都へ御朱印集めの旅に出かけたそうです。今年は「お祭り巡り」をテーマに、青森のねぶた祭や秋田の竿燈まつり、新潟の長岡の花火大会など、全国各地の有名なお祭りに足を運んだといいます。

一方で、マネージャーからは「座ったら秒で寝ちゃう」「すぐ携帯の充電がなくなってしまう」といった、お茶目な一面も明かされました。當真さん本人も「飛行機はもう乗ったらずっと寝てます。新幹線もずっと寝てます」。

「全世代の方に楽しんでいただける」令和一泣ける映画『ストロベリームーン』

そんな當真さんが主演を務める映画『ストロベリームーン 余命半年の恋』は、子供の頃から病弱で、15歳で余命半年と宣告されたヒロイン・萌が、残された時間で懸命に恋をし、友情を育む物語です。

この作品に、パーソナリティの向井さんは「僕らの時代で言うと『セカチュー(世界の中心で、愛をさけぶ)』。それくらいにヒットしないとちょっと説明つかない」と大絶賛。當真さん自身も、完成した作品を観て「誰にも顔見られたくないぐらいちょっと泣いてしまった」といいます。

沖縄で見出された一人の少女が、今や日本中を涙させるヒロインへ。彼女がスクリーンで見せる輝きは、きっと多くの人の心に深く刻まれるでしょう。今後のさらなる飛躍から、目が離せません。