長崎市の端島・通称「軍艦島」の保存・活用に向けて、長崎市は15日、大手ゼネコンの清水建設と連携協定を結び、その第1弾として島に55年ぶりに新たな建物が作られることになりました。

年間を通じて多くの観光客が訪れる端島は、51年前に無人島となって以降、建物などの劣化が進み、独特の景観の維持や観光客の安全確保が大きな課題となっています。

島の保全に向けて護岸や建物などの調査が続く中、長崎市は15日、清水建設と「端島の保存・整備、および公開活用」に関する連携協定を結びました。

鈴木史朗長崎市長:
「端島炭坑の保存整備事業が、一層推進されると期待しておりますし、持続可能な形の観光に繋がっていくのではと期待しています」

今回の協定に基づき、まず、島の北側に床面積、約50平方メートル・高さ約2.7メートルの木造平屋建ての「研究拠点施設」が新たに設置されます。

施設は主に調査員らの拠点として活用され、水道や電気がない中でも使える処理水循環式のトイレなども整備されます。

また、調査員や観光客などが悪天候や体調不良などの不測の事態で島から出られなくなった際の避難場所としても利用されます。

端島で建築物ができるのは、1970年に『71号棟』として体育館が竣工して以来55年ぶりで、『72号棟』として建築されます。

施設は今年11月に着工し、来年3月に運用が始まる予定です。