熊本県相良村で鍼灸院を営む、福山洋二さん73歳。病気の影響で目がほとんど見えませんが、この秋、2人乗り用の自転車で約110㎞の道のりを走ることに挑みました。福山さんの挑戦の日々を追いました。
73歳、爽やかに生きる

福山洋二さん「生まれた時から左目は見えなくて、右目は進行性の病気なんですよ、視神経萎縮という」
福山さんの仕事の腕は確かです。
客「坐骨神経痛だったんですけど、ここで2か月くらいして全く痛くならなくなって治ったんですよ」
こうして生活する福山さんが挑んでいるのが2人乗りのタンデム自転車です。自転車の操縦をするパイロットの後ろで福山さんがペダルをこぐ形で、去年11月から4か月かけ、人吉・球磨地域の「相良三十三観音」を全て巡りました。

福山さんがタンデム自転車に挑戦する理由は
福山さん「自分が目が見えなくても、爽やかに過ごせると、健常者の人も爽やかになる。やはり爽やかに生きることが一番かな」
地域と、仲間と 新たな挑戦へ
福山さんは、地域の小学生に特別授業をすることもあります。一緒に走って目が見えない世界はどんなものかを感じてもらい、他の人を思いやる大切さを伝えました。
福山さん「見えない世界というのはこんなに辛いことはない。でもこうやって見えなくても、きょうもみんなが伴走してくれましたね」

小学生「これからも福祉の学習を続けていきます。今回の学びをもとに学習や生活に生かしていきたい」
目が見えなくても前向きに活動を続ける福山さんに惹かれ、挑戦を後押ししているのが、自転車を操縦するパイロットたちです。
共にタンデム自転車に挑む 池田友輝さん「自分自身も福山さんの話を聞くなかで、出会いとか友人関係とか助けられたこともあり共感することがあったので。今回このようにつながれて本当に嬉しい」
福山さんは、この秋、新たな挑戦を計画していました。
福山さん「終点はやっぱり盲学校ですね」